ショッピング機能のないホームページの作成は、初心者でも利用しやすいプラットフォームが増えていることもあり、簡単に行えるようになってきています。一方で、通販サイトを構築するには、顧客が使いやすいユーザーインターフェース(UI)や購入完了までのスムーズな動線などを考慮したり、売り上げにつなげるためにSEO対策やSNSマーケティングなどの集客施策を考えたりと、初心者には難しく感じる部分があります。
この記事では、どのEコマースプラットフォームにも共通する、初心者でも通販サイトを作れる方法を7つのステップで紹介します。EC事業で起業したい方は、ぜひ参考にしてください。
1. 通販サイトのターゲット顧客と達成目標を決める

通販サイトの成功は、購買意欲のある人にサイトを訪問してもらえるかどうかにかかっています。ターゲット顧客や目標を設定することで、目標達成に向けた効果的な戦略を立てやすくなります。通販サイトを作る前に、以下の項目を決定しましょう。
- ターゲット顧客の設定:通販サイトを作るためには、ターゲットを設定することが重要です。ターゲット層に共通する行動パターン、悩み、目標や、性格や年齢層などを調査し、ペルソナを作成しましょう。
- 競合調査:ターゲット顧客が重なりそうな競合サイトを把握し、競合分析を行いましょう。合わせて市場分析も行い、自社商品の強みやセールスポイントを探します。
- 自社分析:競合分析に加え、自社分析も行います。競合、自社、市場の3C分析を行うことで通販サイトの販売戦略が立てやすくなります。また、競合と差別化を図るために、自社のオリジナリティは何かを考えましょう。オリジナリティを考えることで、潜在顧客に対してのアプローチ方法が明確になります。ビジネスにおける強みや弱みを知れるSWOT分析を行い、ビジネスのアイデアの良し悪しを判断することもできます。
- 達成目標の設定:通販サイトを作ることで何を達成したいのかも決めましょう。目標を設定することで、目標達成までにかかる時間を予測し効率的に準備をしたり、目標達成のために必要な方法を模索したりすることができます。KPI(Key Performance Indicator)やマイルストーンなどの指標を設定するのもおすすめです。
2. 通販サイトで販売する商品を決める

通販サイトで販売する商品を仕入れる方法には「サプライヤーから既製品を仕入れる方法」と「オリジナル商品を制作する方法」があります。
サプライヤーから商品を仕入れる
サプライヤーから仕入れる方法には以下のようなものがあります。
- 国内外の卸売業者サイトで仕入れる
- 展示会で取引先を探す
- 問屋で仕入れる
- 現地で買い付けをする
- メーカー・個人クリエイターから直接仕入れる
この商品調達方法では、再販ビジネスや商品の保管や発送を代行してもらえるドロップシッピングなどの仕組みを利用して通販サイトを作ることも有効です。
オリジナル商品を制作する
ハンドメイドアクセサリーのようなオリジナル商品を制作し販売する方法もあります。オリジナル商品には、以下のような種類があります。
3. 通販サイトの種類を選ぶ

通販サイトは自社ECサイトとECモールの2種類があり、自社ECサイトは主に以下の4つのタイプに分かれます。
- ASP型:通販サイト構築に必要な機能が揃っているため簡単に開設できる。コストが低く、実店舗やSNSですでに顧客を獲得している方向け
- SaaS型:業者が管理するソフトウェアをインターネット経由で使えるサービス。プログラミングの知識不要で、ECサイトの作成が初心者の方にもおすすめ
- オープンソース型:公開されているソースコードを利用して無料で通販サイトを構築できる。カスタマイズ性は高いが、コーディングの知識が必要
- フルスクラッチ型:通販サイトを一から作る方法。プログラミング知識と技術が求められ、事業規模50億円以上ある大企業向け
ECモールは、楽天市場やAmazon、eBayのように複数のショップが出店している通販サイトです。モール自体がすでに多くのユーザーを抱えているため、出店するだけで一定の集客が見込めます。ただし、ECモールには出店料や販売手数料などがかかるため、コスト面を考慮する必要があります。
どの通販サイトを利用するかは、予算やターゲット顧客、ECサイトに関する知識量、集客力などによって変わります。自社の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
4. 通販サイトを設定する

通販サイトを作るのが初めての方でも利用しやすい3つの種類を例に、一般的な通販サイトの設定方法を紹介します。
ASP型
ASP型の通販サイトの開設手順はサイトによって多少異なりますが、主な流れは以下のようになっています。
- アカウント作成:パスワードやドメインを設定
- メール認証とビジネスに必要な情報を入力:事業者情報、ショップ情報、返品ポリシーなどを登録
- 決済方法の設定:クレジットカード決済、キャリア決済、PayPalなど、導入する決済方法を選択
- 商品情報の登録:商品名、商品説明、価格、送料などを入力
- ショップデザインの設定:テンプレートやコーディングを利用してデザインを作成
ウェブサイトのドメインはお店の住所のような役割があります。短く、記憶に残りやすいドメイン名がおすすめです。ショップのデザインは、配色、アイコン、フォント、グラフィックの統一感を意識し、ブランドアイデンティティに合うものにしましょう。レイアウトやボタンの配置もユーザーが使いやすいものにし、スマホやタブレット、パソコンなど、すべてのデバイスで使いやすい設計を心がけましょう。
SaaS型
ここでは、SaaS型であるShopifyの通販サイト開設手順を紹介します。
- アカウント登録:「無料体験を始める」からパスワードなどを作成し、販売方法などのアンケートに回答
- ショップデザインの設定:テンプレートやコーディングを利用してデザインを作成
- 商品情報の登録:商品名、説明、価格、在庫、送料などを入力
- 必要なページの作成:特定商取引法に基づく表記、Aboutページ、プライバシーポリシー、返品ポリシー、配送ポリシーなどを追加
- メニューの作成:作成したページをサイトに表示
- 配送に関する設定:国内、海外配送、店舗受け取り、ローカルデリバリーなどの設定
- 決済方法の設定:クレジットカード決済、Shop Pay、PayPalなど、導入する決済方法を選択
Shopifyは、ブランドイメージに合った「テーマ」を選ぶだけで、トップページや各商品ページに統一感のあるデザインが反映されます。デザインに迷うときはShopifyで構築されたウェブサイトを参考にしましょう。
商品ページの商品説明では、画像や動画も利用して製品の魅力を最大限に伝えましょう。また、特定商取引法に基づく表記、ポリシーに関するページなど重要な情報も忘れず記載します。
ECモール
国内では楽天やAmazon、海外販売向けにはeBayやEtsyなど、多くのECモールが存在します。
ここでは、楽天市場を例に、通販サイト開設手順を紹介します。
- 出店申し込み:ウェブ申し込みから必要な情報を入力
- 審査:出店可能かの審査、必要書類の提出
- 申し込み書の提出:重要事項の確認、捺印した書類の提出
- 利用開始:店舗運用システムの利用開始日(課金開始日)
- 出店料の入金:メールが届いてから原則20日以内に入金
- 店舗構築:商品の登録、決済方法や配送などの設定
- 店舗審査:オープン希望日5営業日前までに店舗ページの審査を依頼
通販サイトを設定する際は、顧客の知りたい情報を見つけやすい場所に表示しておくことが大切です。例えば、商品到着までの目安や送料に関する情報を明確にわかりやすく伝えるようにしましょう。FAQページを作って顧客が自分で疑問を解決できるようにするのもおすすめです。
送料は売り上げに直結するため、慎重に設定する必要があります。全国一律や、北海道や沖縄は個別に設定する方法のほか、一定額以上の購入で送料無料など、平均注文額を高くする工夫もすると良いでしょう。越境ECの場合は、関税や輸送コストが国内よりも高くなるため、適切な送料設定や物流コストの削減が重要になります。
決済の設定では、代引きや銀行振込、クレジットカード決済の他に、PayPalやキャリア決済など、複数の決済方法を用意しておくと、顧客の利便性が高まり購入のハードルが低くなります。
より多くのターゲットにリーチするには、ShopifyとeBayを連携させるなど、ASP型・SaaS型とECモールを併用するのもおすすめです。モールから自社ECサイトへの流入を促したり、時期をずらしたキャンペーンを行ったりするなど、複数の販売チャネルを活用することで売り上げの向上が期待できます。無料でECサイトを開設できるものもあるので、予算などに合わせて検討しましょう。
5. 配送・梱包などの準備を行う
梱包や配送など注文フルフィルメントの環境を整備します。発送予定日をできるだけ早くできるよう3PL(サードパーティロジスティクス)を利用するのもおすすめです。
また、ラッピングや商品へのネーム入れなどの流通加工も検討すると良いでしょう。流通加工によって商品に付加価値が付くため、開封体験の向上や他社との差別化につながります。そのため、リピート顧客や肯定的なレビューを獲得することもできるでしょう。
6. 集客する

通販サイトの準備が整ったら集客しましょう。数種類のマーケティングを組み合わせることで効果的に集客することができます。以下は、その一例です。
- SEOマーケティング:自社ECサイトの場合は、キーワードリサーチやリンクの設置、画像最適化などのSEO対策を行い、検索エンジンの検索結果ページでウェブサイトを上位に表示させることが大切です。SEOチェックリストを利用すると効率的に対策を行うことができます。
- マルチチャネルマーケティング:複数の販売チャネルを活用してマルチチャネル販売を行い、商品の販売チャンスや認知度の拡大につなげましょう。
- SNSマーケティング:ターゲット顧客が利用しているSNSで、ブランドイメージに合った投稿や各SNSのアルゴリズムの違いなどを考慮して運用を行い、ブランド認知度を高めましょう。コンテンツを定期的に投稿する、ユーザーのコメントに返信するなどして積極的に交流することで、顧客や潜在顧客と信頼関係を築くことができます。SNS管理ツールを利用すると、効率的に運用できます。
- 口コミマーケティング:顧客からのレビューはUGCとして潜在顧客の購買意欲を刺激したり、通販サイトの信頼性向上につなげたりできます。通販サイトを作ったばかりの段階はレビューを獲得しにくいため、ギブアウェイやサンプル提供などを行いレビューを依頼してみましょう。
7. 通販サイトの更新や改善を継続的に行う

売り上げを伸ばすためには、継続的な通販サイトの改善が欠かせません。そのための戦略を紹介します。
プラグインをインストールする
ShopifyのようなEコマースに特化したプラットフォームでは、アプリなどをインストールして通販サイトの機能を強化できます。
例えば、配送サービスの効率化やサービスを向上させたい場合は、送料の見積もりや配送ラベルの印刷を行うことができるアプリをShopify App Storeで検索し、導入することができます。他にも、割引価格の設定など価格設定に役立つアプリや予約販売を可能にするアプリなど、利益率を上げたり顧客のニーズに応えたりできるアプリを導入し、通販サイトを改善していきましょう。
新しいコンテンツを定期的に追加する
ブログ記事、動画、新しい商品リストなど、定期的にコンテンツを追加して、常にウェブサイトを最新の状態に保つのは有効な集客方法の一つです。顧客に有益で質の高いコンテンツは検索エンジンの評価を上げてサイト訪問者を増やせるだけでなく、通販サイトの信頼感を上げたり顧客の商品やサービスに関する理解を深めたりして、商品購入を促すこともできます。
顧客が喜ぶ特典やサービスを導入する
さまざまなプロモーションやサービスを通じて購買意欲を刺激し、顧客の再購入を促しましょう。会員限定のロイヤリティプログラムや、メールマガジンで配信される割引コードなどのプロモーションが有効です。後払いプランや今すぐ購入ボタンなど顧客の利便性を高めるサービスの追加も効果的です。
サイトのトラフィックを継続的に分析する
Googleアナリティクスやプラットフォームの分析機能を使用して、リンクのクリック数や各ページの訪問数、購入者の属性など、顧客の通販サイトでの動向を確認します。得られたデータをもとに、ビジネスプランや商品アイデアを見直したり、新しいマーケティングキャンペーンを計画したりしましょう。SEO対策に役立てることで、検索順位を高め集客につなげることもできます。
まとめ
この記事では、通販サイトを作るための基本的な7つのステップを解説しました。通販サイトの作成は、ターゲット顧客を決めることから始まり、販売する商品や通販サイトの選定、各種通販サイトの設定、EC物流の整備、集客、そして公開と改善まで、さまざまなステップが存在していますが、手順を踏めば初心者や個人でも通販サイトを作ることが可能です。
また、Shopifyのようなホームページ作成や販売に関する機能が充実したプラットフォームを使うことで、より簡単に通販サイトを作ることができます。
通販サイトの作り方がわからないという人は、この記事を参考に通販サイトを立ち上げて、ネット販売に挑戦しましょう。
よくある質問
実店舗と通販サイトの違いは?
実店舗は、物理的な店舗で顧客と直接コミュニケーションを取って商品を販売するのに対し、通販サイトはオンラインの店舗を通じて商品を提供し、顧客とのコミュニケーションもオンライン上で行う点に違いがあります。
ネット通販とは?
ネット通販とは、インターネットを介して商品やサービスを販売する販売形態です。オンラインショップやマーケットプレイスを通じて、時間や場所に制限なく顧客にアプローチできるのが大きなメリットです。また、SEO対策やWeb広告を活用することで、より多くの潜在顧客にリーチすることができます。
通販サイトを作るのにプログラミングの知識は必要?
通販サイトを作るのにプログラミングの知識は必ずしも必要ではありません。Shopifyのような、豊富なテンプレートやアプリなどを提供するECプラットフォームを利用することで、専門知識がなくても簡単にクオリティの高い通販サイトを作成できます。
文:Momo Hidaka