ハンドメイド作品を制作をしている方の中には「自分のハンドメイド作品を販売してみたいけど、どのサイトを使えばいいの?」といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
EtsyやCreemaといったハンドメイド専門のマーケットに加え、自分だけのネットショップが作れるサービスや、気軽に始められるフリマアプリなど、ハンドメイド作品の販売先にはさまざまな選択肢があります。それぞれのサイトには異なる特徴やメリットがあるため、自分の作品や販売スタイルに合ったサービスを選ぶことが大切です。
この記事では、ハンドメイド作家に人気の販売サイトを選び方や注意点と共に紹介します。ハンドメイド販売を成功させるコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ハンドメイド販売におすすめのサイト・アプリ
1. BASE(ベイス)

- 運営会社:BASE株式会社
- 初期費用:スタンダードプラン:0円、グロースプラン:0円
- 月額料金:スタンダードプラン:0円、グロースプラン:16,580円
- 決済手数料:スタンダードプラン:3.6~4.6%+40円、グロースプラン:2.9~3.9%
- 販売手数料:スタンダードプラン:3%、グロースプラン:0円
- 振込手数料:一律250円
- 事務手数料:20,000円未満:500円、20,000円以上:0円
BASE(ベイス)は、直感的な操作で、自分の個性を活かしたショップを開設できるのが特徴のネットショップ作成サービスです。
ハンドメイドマーケットとは異なり、豊富なデザインテンプレートを使ってショップの見た目を自由にカスタマイズできるため、オリジナリティのあるブランドとして認知されやすいのが魅力です。
また、「BASEかんたん決済」を利用すれば、購入者との直接の金銭のやり取りをせずに、スムーズに商品を販売できます。決済をBASEが代行してくれるので、ハンドメイド作品を初めてネット販売する場合でも安心です。ただし、手数料の仕組みがやや複雑なため、事前に公式サイトの料金シミュレーターを使って確認しておくことをおすすめします。
2. minne(ミンネ)

- 運営会社:GMOペパボ株式会社
- 初期費用:0円
- 月額料金:通常会員:0円、minnePLUS:1,650円(年払いの場合は月1,375円)
- 販売手数料:通常会員:10.89%、minnePLUS:10.56%
- 振込手数料:220円
minne(ミンネ)は、スマホから簡単に出品できる手軽さが魅力のハンドメイド販売サイトです。その手軽さから、ハンドメイド副業として販売を始めたい方からも人気を集めています。
国内最大級のモール型プラットフォームで、自作のハンドメイド作品はもちろん、リメイク品やヴィンテージアイテムの販売も可能です。販売ノウハウの公開や特集記事への掲載といったサポート体制も充実しており、初心者でも安心して始められます。
さらに、食品の出品が可能であったり、販売者の手間なく海外発送に対応できたりといった仕組みがあるのも特徴の一つです。利用者は20〜40代の女性が中心で、特にアクセサリーや小物の出品が多く見られます。
またminneでは通常会員とは別で、minne PLUSと呼ばれる月額プランがあります。minne PLUSでは、アナリティクスを使ってより詳細にデータを分析できたり、購入を後押しする作品ページの動画掲載ができたりと、売り上げを伸ばす機能が充実しています。
女性向けのハンドメイド商品を販売したい方にとって、非常に相性の良い販売先と言えるでしょう。
3. Creema(クリーマ)

- 運営会社:株式会社クリーマ
- 初期費用:0円
- 月額料金:0円
- 成約手数料:作品・素材:11%、フード:15.4%、台湾・香港サイト:21%+一取引ごとに42円
- 振込手数料:30,000円未満:176円、30,000円以上:275円(PayPay銀行利用の場合は一律55円)
Creema(クリーマ)は、集客力を高めたい方におすすめのハンドメイド販売サイトです。
国内にとどまらず、台湾や香港でも展開しているほか、アクセサリーや雑貨はもちろん、食品やアルコールといった幅広いカテゴリの商品を取り扱っているため、幅広い市場に向けて販売できるのが魅力です。また、月間ユーザー数は2200万人にのぼるため、その認知度から、より多くのユーザーへのリーチが見込めます。
その他にも、広告配信やキャンペーン設定など、多彩なPR機能が用意されており、自分のショップや作品を効果的にアピールできます。サイトでは作家のインタビューも掲載されており、作品に込めた想いやこだわりを紹介する場も提供されているのもポイントです。
4. Etsy(エッツィー)

- 運営会社:Etsy,Inc.
- 初期費用:ショップ開設時に一回限りの手数料を支払う必要あり(開設時に必要な料金が表示される)
- 月額料金:0円
- 販売手数料:6.5%+出品料0.20米ドル
- 振込手数料:6%+0.30米ドル
Etsy(エッツィー)は、世界中のユーザーに利用されているアメリカ発のマーケットプレイスで、越境ECに興味のあるハンドメイド作家の方におすすめの販売サイトです。
日本国内ではまだ知名度が高いとはいえませんが、1億人近くのユーザーが世界中にいるため、グローバルな販路を求めるクリエイターにとっては非常に魅力的なプラットフォームです。自動翻訳機能や通貨の為替換算機能が備わっており、英語が得意でない方でも出品・販売がしやすいのがポイントです。
また「Etsyペイメント」という決済方法を導入しており、クレジットカードやApple Payなどを使った多様な決済方法にも対応できるようになっています。
世界に向けて作品を届けたい方にとって、Etsyは心強い選択肢といえるでしょう。
5. iichi(イイチ)

- 運営会社:iichi株式会社
- 初期費用:0円
- 月額料金:0円
- 成約手数料:生産者(作り手):20%、小売:15%
- 振込手数料:160円(PayPay銀行利用の場合55円)
iichi(イイチ)は、木工品や革細工などのクラフトや手工芸を中心に取り扱っており、特にプロの作家や職人に向いている販売サイトです。
他のハンドメイドマーケットと異なり、焼き物や宝石など比較的高価な商品が販売されています。セレクトショップや専門店も小売店として出品できるため、一般的な手作り製品よりもプロの職人による製品が多く見られる印象です。
作り手としてショップを開設する場合、審査が必要なく、必要情報を入力するだけ登録できます。比較的使いやすいインターフェースなため、作品の管理や販売促進がスムーズに行えるのも特徴です。
アート性の高い作品を販売したいクリエイターには、理想的なプラットフォームと言えるでしょう。
6. メルカリShops

- 運営会社:株式会社メルカリ
- 初期費用:0円
- 月額料金:0円
- 販売手数料:10%
- 振込手数料:200円
メルカリShopsは、国内最大級のフリマアプリ「メルカリ」内でハンドメイド作品を販売できるショップ機能です。
メルカリは2300万人以上の月間アクティブユーザーを抱えており、非常に高い集客力を誇ります。また、ユーザーが商品を販売して得た売上金をメルカリ上でプールしておけるサービスや、メルペイやメルコインなどの独自サービスを展開しており、購買意欲を高める工夫がされているのも魅力的なポイントです。メルカリShopで出店することで、このような強みを活かした効率的な集客ができるため、販売初心者でも購入につなげやすく、ハンドメイド販売の第一歩として人気があります。
また、CSVファイルを使って商品を一括登録できる機能や、商品のグルーピング機能など、事業者向け機能を提供しており、ショップを効率的に運営できます。
7. STORES(ストアーズ)

- 運営会社:STORES株式会社
- 初期費用:0円
- 月額料金:フリー:0円、ベーシック:3,480円(年払いの場合は月2,980円)
- 販売手数料:0円
- 決済手数料:フリー:5.5〜6.5%、ベーシック:3.6~4.6%
- 振込手数料:275円(入金額が1万円未満の振込申請は事務手数料275円も加算)
STORES(ストアーズ)は、初期費用をかけずに本格的なネットショップを開設したい方におすすめのサービスです。予約販売や定期販売、ギフトフォームの設置、クーポンの発行など、無料プランでも多機能なのが大きな魅力です。専門的な知識がなくても、豊富なデザインテンプレートから好みのデザインを選ぶだけで、簡単におしゃれなショップをつくることができます。
さらに、Instagram(インスタグラム)と連携することで、音楽・動画などのデジタルコンテンツの販売もでき、ハンドメイド作品だけでなく、デジタル商品を扱いたい方のニーズにも対応しています。
コストを抑えつつも、柔軟で多機能なネットショップを運営したい方におすすめのプラットフォームです。
8. Shopify(ショッピファイ)

- 運営会社:Shopify Inc.
- 初期費用:0円
- 月額料金:ベーシック:4,850円(年払い:3,650円)、グロー:13,500円(年払い:10,100円)、アドバンス:58,500円(年払い:44,000円)、プラス:2,300米ドル
- 販売手数料:0円
- 振込手数料:0円
※最新の料金は、Shopifyの料金プランでご確認ください。
Shopify(ショッピファイ)は、初心者でも簡単に本格的なネットショップを開設できるEコマースプラットフォームです。
独自ドメインを取得できるほか、豊富なデザインテンプレートから自身のブランドに会うテーマを選ぶことができるため、プログラミングの知識がなくても、ブランドの世界観を反映したストアを構築できるのが魅力です。越境ECにも対応しており、多言語・多通貨設定や海外発送のサポート機能も充実しています。
Etsyとの連携や商品移行もスムーズに行えるため、ハンドメイド販売サイトから本格的な自社ストアへステップアップしたい方にも適しています。
データ分析やメールマーケティング、SNS連携など販売促進に役立つツールも標準装備されており、ハンドメイド作品をビジネスとして本格展開したい方にとって理想的なプラットフォームと言えるでしょう。
9. カラーミーショップ

- 運営会社:GMOペパボ株式会社
- 初期費用:フリープラン:0円、レギュラー:3,300円、ラージ:3,300円、プレミアム:22,000円
- 月額料金:フリープラン:0円、レギュラー:4,950円、ラージ:9,595円、プレミアム:35,640円
- 販売手数料:0円
- 振込手数料:金融機関や金額によって異なる
カラーミーショップは、デザインの自由度が高く、ショップの世界観を大切にしたい方におすすめのネットショップ作成サービスです。
多種多様なデザインテンプレートが用意されており、自由にカスタマイズできるため、自分だけのオリジナルなショップを簡単に作成できます。顧客管理機能やクーポン発行機能、イチオシ商品管理機能など、便利な機能が揃っているため、ハンドメイド販売にも役立ちます。
また、ネットショップを開設する際は、特定商取引法に基づく表記として個人情報の掲載が求められますが、カラーミーショップではフリープランを利用する個人・個人事業主に限り、個人情報の非公開が可能です。そのため、個人情報の公開に不安がある方でも、安心してショップ運営を始められます。
ハンドメイド販売サイトの選び方と注意点
1. サイトの特徴や取扱商品の雰囲気は自分の作品と合っているか
売れるハンドメイド作品の種類や傾向は販売サイトごとに異なるので、自分の作品と近い商品を扱っているサイトを選ぶのが重要です。
たとえば、プロの作家や職人が多く利用しているサイトでは、初心者の作品は見劣りしてしまう可能性があるため、売り上げにはつなげにくい傾向にあります。
一方、さまざまなレベルの作家が登録しているサイトなら、初心者であってもユーザーの好みに合う作品であれば、手に取ってもらいやすいでしょう。
また、ユーザー層もサイトによって女性中心や若者中心などと異なるので、自分の作品のターゲット層と合っているかどうかリサーチすることも大切です。
2. 適切な運営コストか
予測される売り上げと運営にかかるコストを比較したうえで、販売サイトを検討する必要があります。
個人でハンドメイド販売をする場合、手数料や利用料などの運営コストが高いと十分な売り上げをあげられません。
たとえば、初期費用や月額費用はかからない販売サイトが多いですが、販売手数料は8〜12%程度とサイトによって差があります。また、配送業者と連携し、割安で発送できる販売サイトもあります。
3. 必要な機能が備わっているか
顧客管理や出品のしやすさなど、自分がショップ運営する上で必要な機能が備わっているかも重要な選定ポイントです。
販売サイトによって利用できる機能が異なるため、どのような機能を利用したいか事前に考えておくとよいでしょう。たとえば、ショップによって以下のような機能の有無があります。
- 予約販売機能
- お知らせ機能
- クーポンやキャンペーンの設定機能
ShopifyのようなEコマースプラットフォームは、カスタマイズ性や拡張性もあるため、後にショップ運営を円滑に行える機能を追加することもできますが、モール型の商品を出品するサイトではそうはいきません。
ハンドメイドマーケットに必要な機能が用意されていなければ、オリジナルのネットショップの開設を検討してみるのもおすすめです。
ハンドメイド販売サイトを利用して成功するためのコツ
人気ジャンルで独自の世界観をアピールする
ハンドメイド販売サイトで売れるためには、人気ジャンルの中で自分だけの個性を打ち出すことが大切です。
ハンドメイド市場では、アクセサリーや布小物、レジン作品などが特に人気ですが、出品者も非常に多く競争が激しいです。そのため、ただ人気ジャンルに乗るだけでは埋もれてしまう可能性があります。その中で売れるためには、作品の背景にあるストーリーや、購入後の使用シーンを想像させる工夫が有効です。
例えば「毎日頑張る自分へのご褒美に」「大切な人への贈り物としてぴったり」など、購入者の感情に寄り添った提案を加えることで、単なる商品ではなく体験として受け取ってもらえる可能性が高まります。
魅力的な掲載写真と商品名を意識する
人の目を惹く写真とタイトルを設定することで、より多くの人にリーチすることができ、コンバージョン率を高めることにもつながります。
ネットでのハンドメイド販売では、購入者が商品を直接手に取って確認できないため、第一印象となる写真と商品名の質が非常に重要です。写真は、商品の色味・質感・サイズ感などをできるだけ正確に、かつ魅力的に伝える必要があります。自然光の下で撮影する、背景をシンプルにする、小物を添えて使用シーンを演出するなどの工夫をすることで、作品の魅力がより際立つでしょう。
また、正面・斜め・裏側・使用イメージなど複数の写真を掲載することで、購入者の不安を軽減し、購入につながりやすくなります。
商品名は、検索されやすさと分かりやすさを意識することが大切です。例えば「シンプルなピアス」ではなく、「淡水パールの上品ピアス。結婚式・入学式にもおすすめ」のように、素材や用途、ターゲットシーンを含めることで検索性と訴求力を高められるでしょう。
SNSをうまく活用する
SNSを効果的に活用することで、集客を図ることができます。
ハンドメイド作品が数多く販売されている今日では、たくさんの人の目に触れ、商品の認知度を上げていくことが大切です。SNSは、リーチ数を増やすのに効果的な手段です。特にInstagramは、写真を中心とした投稿スタイルがハンドメイド作品と相性が良く、無料で始められる最適な集客ツールと言えます。
まずは、SNS上で人気のある作家や作品を観察し、自分らしい発信スタイルを見つけましょう。作品の紹介にとどまらず、制作の裏側やコンセプト、日々の気づきなどを丁寧に発信することで、ブランドの世界観が伝わりやすくなり、ファンの獲得やリピーターの育成にもつなげられる可能性が高まります。
販売を始めたら、ショップ運営と並行してSNSの発信にも力を入れていきましょう。
購入者に感謝を伝える
購入者へ感謝の気持ちを丁寧に伝えることは、リピーターを増やすための重要なポイントです。
購入後に送る手書きメッセージや心のこもったラッピングなど、さりげない気配りが購入者に特別な体験を届け、「またこの人から買いたい」と感じてもらえる大きな要因となります。こうした誠実な対応を続けていくことで、顧客からの信頼を獲得し、リピート購入や口コミによる新たな集客につながりやすくなります。
顧客の満足度を高め、良好な関係を築くことができるよう、細やかな心配りをした開封体験を心がけましょう。誠実な対応が長期的な売上の安定に貢献します。
広告を出稿する
広告出稿は、作品を確実に見てもらうための効果的な手段です。
特に集客に伸び悩んでいる場合、SNS広告や検索連動型広告を活用することで、短期間での認知拡大が期待できます。ウェブ広告は、年齢・性別・興味関心などのターゲットを細かく設定して配信できるため、限られた広告費でも高い効果が得られやすいのが特徴です。
また、minneやCreemaなどのハンドメイド販売サイトの中には広告機能が備わっているものもあり、広告機能を活用することで作品を関心の高いユーザー層に効率よく届けることが可能です。
もちろん広告費はかかりますが、売上を加速させたいと考える方にとっては、積極的に取り入れる価値のある施策と言えるでしょう。
まとめ
ハンドメイド販売サイトには、EtsyやCreemaのような専門マーケットのほか、オリジナルのネットショップやフリマアプリなど、さまざまな選択肢があります。それぞれのサイトによって、雰囲気や利用ユーザー層、機能、コストに違いがあるため、自分の作品のテイストや販売スタイルに合ったサイトを選ぶことが成功への第一歩です。
無理のない運営コストで、ターゲットとするユーザー層にしっかりアプローチできれば、個人でも十分に利益を出すことは可能です。
ハンドメイド販売の始め方を押さえたうえで、自分にぴったりの販売サイトを見つけてみてください。
よくある質問
ハンドメイド販売アプリの手数料の相場は?
一般的なハンドメイド販売アプリの販売手数料の相場は、売上の5〜10%程度です。
また、振込手数料は200円前後に設定されている傾向にあります。
ハンドメイド販売サイトにはどのような種類がある?
ハンドメイド販売サイトには、主に3つの種類があります。
- ハンドメイドマーケット:ハンドメイド作品を専門に販売するサイト
- ネットショップ:オリジナルのハンドメイド販売サイト
- フリマアプリ:フリーマーケットを利用してハンドメイド販売ができるサイト
それぞれ特徴が異なるため、ハンドメイド販売のやり方の記事も参考に自分に合ったサイトを探しましょう。
ハンドメイド販売で売れやすい商品は?
- ハンドメイドアクセサリー(ピアス・ネックレスなど)
- 布製品
- 革製品
- ベビー用品
- スマホ製品
子どもの入園・入学シーズンには、入園グッズも売れやすい傾向にあります。
初心者におすすめのハンドメイド販売サイトは?
初心者におすすめのハンドメイド販売サイトは、minneやcreemaです。
どちらもハンドメイドに特化した、認知度の高い販売サイトで、ハンドメイド作品に興味のあるユーザーがメインなので、集客につなげやすいのが特徴です。
また、初期費用がかからないため、コストを抑えながら安心してネット販売を始められます。購入者とのやり取りがスムーズに行えるサポート体制が整っているほか、販促機能も多数用意されているため、販売経験がない方にも向いていると言えるでしょう。
文:Takumi Kitajima