コスパに優れた宣伝方法をオンライン・オフラインの両目線から紹介します。多様な業種向けに会社や商品の宣伝方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
無料または低コストでできる集客方法
ビジネスを広めるためのプロモーションとしては、単にSNSに写真を投稿したり、広告を出したりするだけでは不十分です。効果的な宣伝は、売上や集客などの「数字として具体的に見える形」で成果を上げるための重要な取り組みです。この記事では、費用をかけずに、あるいは最小限のコストで始められる宣伝方法をご紹介します。
- ゲスト投稿で新しい読者にアプローチする
- 製品レビュー系のブログで紹介してもらう
- メールマーケティングで潜在顧客との関係性を育てる
- Google検索で上位表示を狙う(SEO対策をする)
- ロイヤリティプログラムを導入する
- コンバージョン改善を意識してサイトを最適化する
- アップセル・クロスセルを活用する
- TikTokを活用する
- YouTubeチャンネルを開設する
- インフルエンサーと連携して認知度を高める
- SNSで魅力的な投稿を定期的に行う
- ライブ配信でフォロワーと直接つながる
- 商品をシェアしやすくする
- トレンドや話題に乗って発信する
- Googleビジネスプロフィールに登録する
- オンラインディレクトリに登録する
1. ゲスト投稿で新しい読者にアプローチする
広告費をかけて集めたウェブサイトへの訪問者を指す「有料トラフィック」と比較して、検索エンジンやSNS経由で広告費を使わずに(無料トラフィック)アクセスを集めるのは、新しく立ち上げたばかりのサイトにとっては容易なことではありません。新たにブログを開設するのも有効な手段ですが、成果が出るまでにはそれなりに時間がかかります。
そこで有効なのが、「他のサイトにゲストとして記事を寄稿する」という方法です。
すでに読者のいるメディアに記事を投稿することで、自社サイトへのアクセスを促せるうえ、検索エンジン対策(SEO)にも効果的な「バックリンク」を構築することができます。
まずは、自社がアプローチしたい読者層を持っているブロガーやメディアを探しましょう。彼らの読者にとって価値があり、かつあなたのビジネスと関連のあるテーマでゲスト投稿することを提案してみましょう。うまく採用されれば、新たな潜在顧客との接点を生み出し、サイトへのアクセス増加や検索順位の向上にもつながります。
2. 製品レビュー系のブログで紹介してもらう
自社の商品やサービスを多くの人に知ってもらい、購入につなげるには、第三者のレビューが効果的です。とくに日本の消費者は、購入前に「口コミ」や「レビュー記事」をしっかりチェックする傾向が強く、信頼できる情報源からの評価は購買意欲に直結します。
とはいえ、誰かが自然にレビューしてくれるのをただ待っていても、思うようには進みません。そこで、こちらから積極的にレビューを依頼するアプローチを試してみましょう。
例えば、自社商品と関連性の高いテーマを扱っているブロガーに連絡を取り、「無償で商品を提供しますので、率直なレビューをお願いできませんか?」と提案してみます。もちろん、提供する商品に十分な魅力があることが前提ですが、質の高い商品であれば、その良さはきっと伝わり、熱心な読者層に向けて魅力的に紹介してもらえる可能性が高まります。

3. メールマーケティングで潜在顧客との関係性を育てる
メールマーケティングは、中小企業にとって顧客を獲得し、リピーターへと育てていくための有力な手段です。特に新規事業や小規模ブランドにとっては、広告費をかけずに高い効果を得られる数少ないマーケティング手法のひとつと言えるでしょう。
しかし、日々忙しい個人事業主や中小企業にとっては、すべてを手動で対応するのは現実的ではありません。そこで役立つのが、メール配信を自動化できるツールの活用です。
メールマーケティング専用のサービスやLINE公式アカウント、ステップメールツール(Benchmark Email(ベンチマークイーメール)、Lステップなど)を使えば、登録者に向けて自動的にお知らせを送ることができます。メルマガのテンプレートも利用し、効率的に配信しましょう。
まずは、SNSプロフィールやネットショップのページに「メールマガジン登録フォーム」を設置し、興味を持ってくれた人に登録してもらうところから始めましょう。
一度登録してもらえれば、新商品情報やセールの告知、限定コンテンツなどを定期的に届けることができ、登録者と関係性を構築しながら購入につなげていくことが可能になります。

4. Google検索で上位表示を狙う(SEO対策をする)
オンラインビジネスの認知を広げ、安定した集客や売上を目指すうえで、SEO(検索エンジン最適化)は非常に有効な手段のひとつです。
目指すべきゴールは、ユーザーが特定のキーワードを検索したときに、自社サイトが検索結果の1位に表示されることです。というのも、こうしたユーザーはすでに「解決したい課題」や「購入したい商品」を探している段階にあり、「購入意欲の高い」潜在顧客である可能性が高いからです。

5. ロイヤリティプログラムを導入する
リピーターを増やし、顧客との関係を長く築いていくには、ロイヤリティプログラム(ポイント制度や会員特典制度)の導入が効果的です。顧客に「お得になる」と感じてもらうことで、再来店や追加購入を促すことができます。
まずは、自社に合ったロイヤリティプログラムの仕組みを決めることから始めましょう。ポイント制、購入金額に応じて会員ランクが上がる制度、あるいは会員限定の特典を用意するなど、ターゲット層にアピールし、ブランドイメージに合致する仕組みを考えることが大切です。例えば、アパレルのオンラインストアであれば、「購入100円ごとに1ポイント付与」「貯まったポイントは次回購入時に割引ポイントとして使用できる」などのように決めるとよいでしょう。
割引のほかにも、ノベルティ配布や先行セールへの招待、誕生日などのイベント時限定の特典などが考えられます。
こうしたプログラムの導入には、顧客の購入履歴や特典の利用状況を管理する仕組みが必要になります。個人経営の店舗であればスタンプカードのようなシンプルな方法でも構いませんし、デジタルで管理したい場合はシンプルポイントやJoyのような専用アプリを使うことも検討してみるとよいでしょう。
6. コンバージョン改善を意識してサイトを最適化する
ウェブサイトを最適化することで、アクセス数を増やさなくても売上を伸ばすことができます。特に注力すべきなのは、商品ページデザインの改善です。
商品画像は高品質で明るく、説明文は具体的かつ分かりやすく、購入ボタン(CTA)は目につきやすい場所に配置するよう心がけましょう。
決済フローが複雑だと購入の妨げになるため、Shopify Checkoutのような仕組みを活用して手続きの簡略化を図るのも効果的です。
また、ShopifyメールやShopify Formsといったアプリを使用して、メールアドレスを登録した顧客限定の送料無料サービスや割引を提示するポップアップを表示すれば、潜在顧客との関係構築にもつながります。
7. アップセル・クロスセルを活用する
アップセルとクロスセルは、平均注文額や収益を高めるための効果的な販促戦略です。
アップセルはより高価格帯の商品を提案することで単価を上げる方法、クロスセルは関連商品を合わせて勧めて購入点数を増やす方法を指します。
例えばスマートフォンを販売している場合、容量の大きな上位モデルを案内したり、ケースや保護フィルムなどのアクセサリをセットで提案することで、購入金額を引き上げることができます。また、複数商品を組み合わせて「バンドル商品」として割引販売すれば、自然な流れで追加購入を促せます。
Shopifyを利用している場合は、ReleasitsやBOGOSといったアプリを活用することで、過去の購入データにもとづいておすすめ商品を自動表示することが可能です。商品ページやカート画面、購入直前のタイミングで提示することで、売上の底上げにつながります。


8. TikTokを活用する
TikTok(ティックトック)は、他のSNSに比べ、視聴者とのインタラクションが活発なためフォロワーとの距離感が近く、コミュニティの形成がしやすいという特徴があります。このため、多額なコンテンツ制作費をかけられない小規模事業者にとっても強力なマーケティングツールのひとつです。Statista(英語)によると、現在、TikTokは世界中で15億人以上の月間アクティブユーザーを抱えています。ユニークな動画コンテンツを発信することで、Z世代のような若い世代にリーチし、ブランドの認知度を高めることも可能になります。
特に中小企業や個人ブランドにとっては、TikTok上で商品を宣伝するTikTokマーケティングは、広告に頼らず短期間で多くの人にリーチできる手段となっています。
また、プロフィール欄のリンクを活用すれば、視聴者を商品ページやキャンペーンページにスムーズに誘導でき、マルチチャネルでのマーケティングを実現できます。
9. YouTubeチャンネルを開設する
2024年にクロス・マーケティングが実施した調査によれば、日本の世帯あたりのYouTube平均視聴時間は、1日あたり53.4分間にのぼることが分かりました。YouTubeは、検索ではGoogleに次ぐ人気を誇る、ブランドを宣伝するための強力なツールです。
YouTubeチャンネル開設で、以下のような効果が期待できます。
- ブランドの信頼性向上や視聴者との関係性構築
- エンゲージメントやロイヤリティの向上
- SNSでの認知拡大
- ウェブサイトへの誘導
魅力的な動画コンテンツを発信することで、新規顧客を獲得し、既存顧客とのつながりも強化できます。YouTubeを活用することは、ブランドの個性を表現し、ターゲットとより深くつながるための有効な戦略のひとつです。
10. インフルエンサーと連携して認知度を高める
ゲスト投稿や製品レビューの依頼のように、自社で詳細なコンテンツを用意しなくても、インフルエンサーとの連携が大きな効果を生むことがあります。
ブランドと相性の良いインフルエンサーを見つけることができれば、SNSでのちょっとした紹介でも、大きな反響につながることがあります。

潜在顧客やターゲット層が集まっているSNSプラットフォームで、インフルエンサーを探してアプローチしてみましょう。 特に、ナノインフルエンサー(フォロワー数1,000〜1万人程度)やマイクロインフルエンサー(1万〜10万人程度)と呼ばれる層は、比較的費用対効果が高く、エンゲージメントの高い投稿を生み出しやすいことが分かっています。 そのため、こうした小規模なインフルエンサーとの連携を構築することが効果的です。
11. SNSで魅力的な投稿を定期的に行う
SNSマーケティングでは、魅力的なコンテンツを定期的に発信することが重要です。投稿の頻度が高すぎても低すぎてもフォロワーの反応は鈍くなる可能性があるため、自社にとって最適な投稿ペースをテストしながら見つけましょう。また、競合他社の投稿頻度やエンゲージメント率と比較してみることも参考になります。
Instagram(インスタグラム)やTikTokのようなプラットフォームでは、1日のうちに異なる形式の投稿を組み合わせるのが効果的です。たとえば、通常の画像投稿に加えて、ショート動画やストーリー機能も活用することで、多様なユーザーの目に触れる機会を増やせます。
とはいえ、重要なのは「量」ではなく「質」です。質の低いコンテンツを数多く投稿することよりも、しっかりとしたマーケティング計画を練り、本当に魅力的な投稿を作成することに注力する方が重要です。
投稿のスケジュール管理には、Social Insight(ソーシャルインサイト)やStatusbrew(ステータスブリュー)などのソーシャルメディア管理ツールが便利です。事前に投稿を予約したり、エンゲージメントを分析したりする機能があるため、時間と労力を節約できます。
12. ライブ配信でフォロワーと直接つながる
オンラインコミュニティを活性化させるには、エンゲージメントを高めることが不可欠です。 そのための有効な戦略のひとつが、エンゲージメント率の高いSNSアカウントを活用したライブ配信です。
例えば、フォロワーとやり取りしながら商品の梱包作業をインスタライブ等で配信したり、毎週金曜日に水彩技法をレクチャーするといったテーマでライブ配信を行うのも良いでしょう。
さらに、ゲストを共同ホストとして迎えるなど、視聴者が喜びそうな演出を取り入れるのも効果的です。
13. 商品をシェアしやすくする
SNSのシェアボタンは、サイトの拡散力(バイラル性)を高め、結果的にトラフィックの増加や売上アップにつながる重要な要素です。
Facebook(フェイスブック)、TikTok、Instagram、Pinterest(ピンタレスト)など、主要なSNSへの共有ボタンが見つけやすい位置に配置されているかどうか確認しましょう。また、商品ページのデザインに合わせて、ビジュアルの統一感を持たせるのも効果的です。
こうしたSNSマーケティング施策を自社のオンラインストアで導入するには、Social Barのようなアプリの利用が便利です。ソーシャルメディアのアイコンを簡単にストアに追加できます。
14. トレンドや話題に乗って発信する
ハッシュタグは、SNS上の会話をテーマ別に整理する手段として広まり、多くのブランドがトレンドの話題やイベントに参加するきっかけとなってきました。 ただ最近では、ハッシュタグの影響力は以前よりも小さくなり、現在はあくまで補助的な役割として使われることが多くなっています。そのため、ブランドとしてどんなトピックに関与するかを自ら選び、判断することがより重要になっています。
StatusbrewのようなSNS分析ツールを使えば、自社ブランドに合ったさまざまなトレンドを見つけて参加することができます。また、Instagramを利用している場合は、「発見」タブ(検索機能)で人気のトピックを確認することができます。
自社ブランドにとってどのようなマーケティング施策が効果的かを見極めるとともに、どのようなトレンドに乗るべきか、あるいは自ら話題をつくるべきかも検討してみましょう。
そして何よりも重要なのは、投稿すること自体が目的にならないようにすることです。トレンドに参加する際は、話題の内容や流れを理解した上で、無理なく自然に、自社として価値のある発信ができているかを意識しましょう。

15. Googleビジネスプロフィールに登録する
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上での店舗情報を一括管理できる、非常に便利なツールです。無料で自社を宣伝し、潜在顧客の目に留まる機会を増やす方法として、特に効果的な手段のひとつです。
このプロフィールを活用すれば、企業のウェブサイトとは別に、Google検索やマップ上で独立したビジネス情報ページを持てるようになります。事業内容や提供しているサービスを簡潔かつ具体的に紹介でき、店舗や会社の存在を信頼性のあるかたちで示すことができます。
信頼できるお店や企業かどうかを確認するために、Googleビジネスプロフィールをチェックするユーザーは少なくありません。。店舗の写真や動画を追加したり、ウェブサイトや予約システムへのリンクを掲載したりすることで、ユーザーからの信頼度を高めることができます。また、店舗や会社の内観を見せることで、潜在顧客に安心感を与える効果もあります。
興味を持ったユーザーは、連絡先やウェブサイト、所在地などの情報をすぐに確認できるため、オンラインでも実店舗でも、スムーズにアクセスしてもらうことが可能になります。
16. オンラインディレクトリに登録する
オンラインディレクトリ(業種別検索サイト)に自社情報を登録しておくことで、地域で商品やサービスを探している顧客があなたの店舗や会社を見つけやすくなります。電話番号、住所、営業時間、サービス内容などの情報が一覧で表示されます。こうした情報を正しく掲載しておくことで、顧客がアクセスしやすくなり、集客のチャンスを広げることができます。
以下のような情報サイトに登録しておくと効果的です。
- Googleビジネスプロフィール
- ローカルガイド・ビズ
- エキテン
- iタウンページ
- 食べログ・ホットペッパー(飲食店の場合)
- EPARK(医療機関など)
- ホットペッパービューティー(美容関連)
Canly(カンリー)のようなサービスを活用すれば、複数のディレクトリにアップロードした情報をひとつのダッシュボード上で一元管理できます。これにより、掲載するビジネス情報をすべてのプラットフォームで一貫して保つことができるため、検索エンジンや顧客からの信頼性向上にもつながります。
まとめ
事業の宣伝には必ずしも高額な広告予算が必要なわけではありません。今回ご紹介したように、SNSでの発信やSEO対策、メール配信など、低コストでも始められる効果的な宣伝方法は数多く存在します。大切なのは、自社の商品やサービスに合った施策を見極め、地道に取り組むことです。オンラインとオフラインの手法を組み合わせることで、認知拡大・集客・売上アップのチャンスを最大化していきましょう。
よくある質問
小規模ビジネスを宣伝するには、何から始めればいい?
まずはGoogleビジネスプロフィールを最適化し、口コミを積極的に集めることでローカルSEOを強化しましょう。InstagramのリールやTikTokなどの動画コンテンツを活用してブランドの魅力を伝え、その後、ターゲット層に的を絞ったSNS投稿でコミュニティとの交流を深めていきます。さらに、地元の他のビジネスと連携し、共同でプレゼント企画を行ったり特集記事を投稿したりするなど、相互プロモーションを行うことも効果的です。
自社商品のアピールポイントをどのように見つければいい?
ターゲットとなる顧客像を明確にした上で、「この商品を使うことでどんな良いことがあるか」「どんな悩みが解決できるか」を洗い出すのがポイントです。また、品質、コスト削減効果を強調し、お客様の評価や口コミを表示することも効果的なアピールにつながります。
無料でビジネスを宣伝する方法は?
SNSで「ハッシュタグ投稿キャンペーン」を実施し、顧客に商品を使った写真を投稿してもらいましょう。こうしたいわゆるユーザー生成コンテンツ(UGC)は、信頼性の高いプロモーション素材となります。また、無料のワークショップやオンラインセミナーを開催することで、地域や業界内での存在感を高めることができます。さらに、既存顧客が新規顧客を紹介してくれた際に特典を付与する紹介プログラムの活用も効果的です。
文:Yukari Watanabe