日本のコーヒー豆の市場規模は、2024年から2032年の間に6.03%の成長率になると予測されています。EコマースやECモールの発展に伴い、消費者は自宅にいながら、コーヒー豆を手軽に入手できるようになりました。さらに、在宅勤務をする人が増えた昨今、さまざまなコーヒーを自宅で楽しむ人や、コーヒー関連商品を揃える人も少なくありません。そのため、コーヒー豆のネット販売は、成長が期待できる市場といえるでしょう。
この記事では、コーヒー豆の卸業者やサプライヤーを探している方のために、おすすめの業者を紹介します。コーヒー豆をプライベートレーベルで販売したい、ドロップシッピングを活用したいという人もぜひ参考にしてください。
コーヒー卸業者一覧

猿田彦珈琲
猿田彦珈琲は、東京の恵比寿に本店を構えるスペシャルティコーヒーに特化した専門店です。量販店や小売店だけでなく、宿泊施設向けにも卸販売を行っています。スペシャルティコーヒーとは、生産から流通までの情報を追跡できるよう開示し、厳正な品質管理のもと生産した高品質コーヒーのことを指します。コーヒー豆やコーヒー粉だけでなく、ドリップバッグや液体コーヒー、ギフトセットなども卸しています。
キーコーヒー株式会社
キーコーヒー株式会社は、インスタントコーヒーやコーヒー豆、ドリップコーヒーなどを扱う卸業者です。ペーパードリップ器具やコーヒーマシンなどの機器も取り扱っているほか、紅茶や砂糖なども卸しています。飲食店の卸業者としての実績もあります。
三本珈琲株式会社
神奈川県横浜市に本社を置く三本珈琲株式会社は、コーヒー関連機器や食材を販売する卸業者です。最先端の焙煎機や定温保管設備を整えていて、コーヒー生豆の品質にこだわったコーヒーを提供しており、顧客が求める味や香りを追及しています。小ロットでさまざまな品種を扱っていることも強みの一つです。
服部コーヒーフーズ株式会社
服部コーヒーフーズ株式会社は、コーヒーの焙煎と喫茶材料を扱う卸業者です。厳選した生豆を自社工場で焙煎してオリジナルブレンドを製造・販売するなど、東日本エリアを中心にさまざまな業種や業態の事業者に商品を販売しています。
ハマヤ株式会社
コーヒー専門メーカーのハマヤ株式会社は、1924年からコーヒーの味覚研究を行っている老舗コーヒー卸業者です。レギュラーコーヒーやドリップコーヒー、液体コーヒー、水出しコーヒー、インスタントコーヒーを扱っているほか、紅茶やコーヒーフレッシュ、コーヒーフィルターなどの関連商品も提供しています。
石光商事株式会社
石光商事株式会社は、1906年にアメリカ・ロサンゼルス市で食品販売業を創業した、日本のコーヒー業界のパイオニアです。コーヒー生豆と焙煎機を日本に持ち帰り普及に取り組んだ経歴を持ち、現在はコーヒーや紅茶の輸入、加工、販売を行っています。外食チェーン店、量販店を通じてコストパフォーマンスの高いコーヒーを卸しています。
SHIRAFUSHI(シラフシ)
SHIRAFUSHI(シラフシ)は、自家焙煎したコーヒー豆の販売と卸売を行っています。焙煎をオーダーメイドし、自社ブランドのオリジナルコーヒー豆として販売できるOEMにも対応しています。BONGEN COFFEE BLENDやSHIRAFUSHI BLENDといったSHIRAFUSHI独自ブレンドのコーヒーだけでなく、ウガンダの自然栽培コーヒー豆やオーガニックデカフェといった豆も取り扱っているため、ニッチ商品にこだわって販売したい事業者にも最適です。
CRYSTAL COFFEE(クリスタルコーヒー)
CRYSTAL COFFEE(クリスタルコーヒー)は、自然栽培とフェアトレードにこだわったコーヒーの卸業者です。無農薬・無化学肥料で栽培されたウガンダ産のアラビカ種を扱っており、コーヒー豆だけでなく、コーヒー粉の卸売にも対応しています。OEMでオリジナルコーヒーを作ることもでき、自社名で顧客に直接配送してもらえるため、ドロップシッピング対応の会社を探している人にも適しています。
大一電化社
エスプレッソマシンを扱う大一電化社は、コーヒー豆の自家焙煎と販売や、紅茶や砂糖など関連商品の販売も行っています。自社独自の焙煎を依頼できるプライベート焙煎は6kgから、自社既存の焙煎を委託できるOEM焙煎は12kgから注文ができます。自社ブランドとして販売したい場合や、他社との差別化を図りたい事業者におすすめです。
Scrop COFFEE ROASTERS(スクロップコーヒーロースターズ)
Scrop COFFEE ROASTERS(スクロップコーヒーロースターズ)は、生産から流通まで厳正な管理が行き届いたコーヒーとされるスペシャルティコーヒーの専門店です。OEMでオリジナルドリップバッグコーヒー制作を依頼できるだけでなく、オリジナルブレンドの開発も可能です。熊谷の焙煎工場で焙煎したコーヒー豆の卸売にも対応しています。
コーヒーの卸業者を選ぶポイント

取引する卸業者のタイプを決める
コーヒーの卸業者には、主に自家焙煎し販売する専門店と、大規模コーヒー卸業者の2種類に分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
自家焙煎し販売する専門店
自家焙煎している専門店から購入する場合、一般に鮮度が高いコーヒーを仕入れられますが、卸値は比較的高い傾向にあります。オリジナルブレンドやOEMでの販売を行っている業者もあり、コーヒーの味やパッケージデザインにこだわって販売したい事業主におすすめです。小ロットでの注文を受け付けていることも多く、業者によってはドロップシッピングも可能です。
大規模コーヒー卸業者
大量のコーヒー豆を取引しているため、比較的安価で仕入れができるメリットがあります。また、コーヒーだけでなく、砂糖やミルクなどの関連商品も扱っている卸業者が少なくありません。複数の取引先とやり取りすることなく必要なものを仕入れられます。
コーヒーの味や産地、生産方法を確認する
業者によって、取り扱うコーヒーの味や産地、生産方法が異なるため、各業者で仕入れられる商品を確認し、ターゲット層に合ったものを厳選します。豆の品種による味の違いだけでなく、焙煎深度(浅煎り、中煎り、深煎り、極深煎り)によっても味が変わるため、サプライヤーに確認しておくと良いでしょう。特定の産地にこだわりを持つ人も多いため、戦略的にどの産地の豆を仕入れるかも考える必要があります。また近年は、コーヒー生産者の持続可能な生活を目指すフェアトレードや、スペシャルティコーヒーといった生産方法にこだわって商品を購入する消費者も増えています。
十分な利益が見込めるかを調べる
仕入れ価格やコーヒー豆の販売価格、需要があるかなど、コーヒー豆販売で十分な利益が見込めるかを調べましょう。販売価格が高くても、味や産地、品質にこだわるニッチな潜在顧客が見込める場合は、利益を上げられる可能性があります。逆に、販売価格が安かったとしても、必要数を販売できなければ利益にはつながらないため、市場調査や競合調査といった事前調査をしっかり行い、利益が見込めるかどうかを調べましょう。
安定して仕入れられるかを確認する
コーヒー卸業者から安定して商品を仕入れられるかを確認しておくことも重要です。安定して商品を確保できれば、顧客が欲しい時に商品を売り逃すことがないだけでなく、顧客の信用獲得にもつながります。
取引条件を確認する
最小ロット数や納品までの期間、発送方法、ドロップシッピングやOEM、ホワイトラベルへの対応など、取引条件を確認します。特に、在庫を抱えたくない人は、ドロップシッピングに対応している卸業者を選ぶと良いでしょう。また、OEMやホワイトラベルとしての取り扱いはあるのか、後払い決済はできるのかも確認しておくと安心です。
まとめ
コロナ禍やリモートワークの浸透に伴い、コーヒー豆販売の市場規模は成長傾向になると予測されています。コーヒーの卸業者には、業界大手の企業で、豆だけでなく紅茶や砂糖など数多くの周辺商品を扱う業者と、豆や焙煎方法にこだわるニッチ市場に適した卸業者がいます。卸業者によっては、ドロップシッピングやOEM、ホワイトラベルで豆を販売することもできるため、自社のビジネスプランと照らし合わせ、適した業者を選びましょう。
コーヒー卸業者を選ぶ際には、取引する卸業者のタイプを決め、販売する商品の味や産地、生産方法について確認する必要があります。十分な利益率が見込めるか、安定して仕入れられるか、そして取引条件にはどのようなものがあるかを事前に調査し把握しておくことも重要です。
コーヒー卸業者に関するよくある質問
ドロップシッピングでコーヒーを販売すると利益は出る?
ドロップシッピングでのコーヒー販売は、利益を上げられるビジネスの一つです。仕入れた商品を保管するための場所を確保したり、在庫管理を行ったりといった手間が省けるだけでなく、注文処理もドロップシッピング業者が行ってくれるため、ブランディングや販売、マーケティング戦略に注力できます。
コーヒーのドロップシッピングビジネスを始める方法は?
コーヒーのドロップシッピングビジネスを始めるには、まずShopifyでコーヒーのECサイトを立ち上げます。サプライヤーと、最適なターゲット市場であるニッチを見つけたら、ブランディングを行いましょう。その後、SNSマーケティングやメールマーケティングなどのマーケティング戦略を立て、収益化を目指しましょう。
コーヒーの卸業者の選び方のポイントは?
- 取引する卸業者のタイプを決める
- コーヒーの味や産地、生産方法を確認する
- 十分な利益が見込めるかを調べる
- 安定して仕入れられるかを確認する
- 取引条件を確認する
文:Masumi Murakami