ブログは、初期投資をほとんどかけずに手軽に始めることができ、自宅でお金を稼ぐための有力な手段の一つです。
「ブログの始め方は理解できたけれど、収益化はどうすればいいの?」という疑問に答えるため、この記事では、ブログ収益化の仕組みと、収益化を成功させるために押さえておきたいポイントをわかりやすく解説しています。
ブログを収益化する6つの方法
1. 成果報酬型広告(アフィリエイト広告)を掲載する
成果報酬型広告(アフィリエイト広告)をブログに掲載することで、収益を得られます。アフィリエイト広告とは、ブログやウェブサイトなどの運営者がサイト内に製品やサービスを紹介するリンクを貼り、訪問者がそのリンクを経由して購入や申し込みをした場合に運営者が報酬を得られる仕組みのものです。扱う商品やジャンルによって収益性は異なりますが、成功すれば大きな収益源になります。NPO法人アフィリエイトマーケティング協会による市場調査(2024年)によると、アフィリエイトを行っている人のうち、アフィリエイトで1か月あたり100万円以上の収入を得ている人も10.3%存在します。
アフィリエイト広告の掲載は、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)サービスに登録すると比較的簡単に始めることができます。ASPサービスは、アフィリエイトを行う人と広告主を仲介する事業者が提供するサービスを指し、具体的には、Amazonアフィリエイト、Shopifyアフィリエイト、楽天アフィリエイト、A8.netなどがあります。サービスへの登録時に、多くの場合審査が行われるため、事前にブログの基本的な体裁を整えておくとスムーズです。
また、最近ではASPを仲介せず、広告主と直接契約するアフィリエイトも存在します。この場合、仲介手数料がかからない分、比較的高い報酬を得られやすくなります。
2. クリック報酬型広告を掲載する
ブログにクリック報酬型広告を掲載することでも、収益を得ることができます。クリック報酬型広告とは、ウェブサイトやブログにバナー広告などの形で掲載された広告を訪問者がクリックするごとに、サイト運営者への報酬が発生する仕組みのものです。購入や申し込みが行われない限り報酬が発生しない成果報酬型広告と比較して、収益化のハードルが低いのが特徴です。
クリック報酬型広告では、見る人の興味や閲覧履歴に基づき最適な広告が自動選択されて表示されます。1クリックあたり20〜30円程度が一般的で、ブログの閲覧数が多ければ安定した収益源になりますが、単価はアフィリエイト広告に比べると低めになります。
クリック報酬型広告をブログに掲載するには、Google AdSenseなどの広告配信サービスへの申し込みが必要です。比較的簡単に始められますが、審査に合格する必要があります。審査通過後、広告コードをブログに埋め込むと、広告が自動的に最適化されて表示されるようになります。設定後、特別な作業は必要ありません。
3. 有料コンテンツを提供する
ブログ内で、お金を支払ったユーザーのみが閲覧できる有料コンテンツを提供することでも、収益を得られます。note(ノート)などのプラットフォームを利用するケースが一般的です。単価は自由に設定できるため、質の高いコンテンツを提供すれば安定した収益が見込めます。
noteなどのサービスを利用すると、記事ごとに閲覧を有料に設定することができます。記事の途中までを無料公開し、続きは料金を支払ったユーザーにのみ閲覧できるようにすることも可能です。また、codoc(コードク)などのサービスを使えば、月額制や年額制のサブスクリプション方式でブログ全体を会員限定公開にすることも可能です。
有料コンテンツの提供は、技術的には難しくありません。読者の興味をひくコンテンツを作成できるか、ファンを育てられるかが鍵となります。
4. PR記事を掲載する
企業からの依頼を元に、製品・サービスの紹介やレビューを行うPR記事をブログに掲載することで、収益を得ることもできます。ブログの規模や記事の内容によって報酬額は異なりますが、影響力次第では高単価の案件を受けることも可能です。
始め方としては、企業から依頼が来るケースもありますが、自ら企業に営業する方法も有効です。たとえば、自分が好きな商品を販売している企業に直接問い合わせ、ブログ記事の執筆を提案してみるのも一つの方法です。こうした個別のアプローチに加えて、クラウドワークスやランサーズなどのマッチングサイトを活用すれば、よりスムーズに案件を獲得できる可能性が高まります。
5. 書籍化やパッケージ化を行う
ブログの内容を書籍化したり、PDFなどの形式でデジタル商品としてパッケージ化したりして販売することでも、収益を得ることができます。
書店に並ぶような商業出版は、プロの作家や文筆業でなければチャンスを得るのは難しいのが現実です。一方で、自費出版であれば自らの判断で書籍を世に出すことができます。ただし、発行部数にもよりますが、自費出版は100万円以上の費用がかかることも多く、収支を黒字化するのは容易ではありません。
その点、電子書籍やデジタルコンテンツの形をとれば、作成費用がほとんどかからないため、比較的手軽に販売を始めることができます。電子書籍であれば、Amazon Kindle(アマゾンキンドル)や楽天kobo(コボ)などのプラットフォームで出版するのが一般的です。デジタルコンテンツであれば、ココナラなどの販売サイトを利用して販売するのが良いでしょう。
紙の書籍を自費出版する場合でも、電子書籍やデジタルコンテンツを販売する場合でも、出版社やプラットフォームを通じて、著者には売り上げの一定割合、もしくは手数料を差し引いた金額が支払われる形となります。
6. ブログを売却する
自身が運営してきたブログサイト全体を第三者に売却することでも収益を得られます。売却価格はブログのタイプや月間利益などにより決まりますが、実際の取引事例では10万~30万円の範囲が中心で、大半は数万~50万円の範囲に収まっています。
ブログを売却する際は、ラッコM&Aやサイト売買Zなどの専門プラットフォームに登録し、売却案件として掲載することでスムーズに進めることができます。事前に収益状況や運営実績を整理しておくのが良いでしょう。
また、ブログに掲載した個人情報やプライバシーに関する情報はあらかじめ削除しておきましょう。
ブログ収益化の始め方の流れ
1. ブログのジャンルを決める
ブログを収益化するには、まず自分が関心を持ち、継続しやすいジャンルを選ぶことが重要です。特定の分野に特化することで、ブログの専門性や信頼性が高まり、読者の支持も得やすくなります。競合状況を把握するために、Google検索やトレンド調査を活用し、対象キーワードの検索数やライバルの強さを確認しましょう。
2. ブログ作成用プラットフォームを選ぶ
次に、収益化の方法に合ったブログ作成用プラットフォームを選びましょう。広告による収益を重視するなら、自由度が高く拡張性に優れたWordPress(ワードプレス)がおすすめです。有料記事を販売する場合は、noteやcodocが適しています。無料ブログサービスは手軽に始められるものの制限が多く、収益を得る手段が限られてしまう場合もあります。必要に応じて有料プランも検討しましょう。
3. ブログを開設する
サーバーの契約、ドメインの取得といった基本的な準備を行い、ブログを開設します。サーバーは表示速度や安定性を重視して選びましょう。ブログ名やドメインは、ジャンルが連想しやすく、覚えやすいものがおすすめです。プロフィールページも作成して、自分の経歴や目的、想いを読者に伝えることで信頼感が高まります。テーマ(テンプレート)はブログの印象を左右するため、デザイン性と機能性を兼ね備えたものを選ぶとよいでしょう。
4. 記事を書く
ブログ開設後は、まずは10記事以上の投稿を目標にしましょう。検索エンジン対策として、検索意図に沿った内容とキーワードを意識して執筆することが重要です。内容は、読者にとって価値があり、独自性のあるものであることが求められます。アフィリエイト記事では、実際の使用体験や具体的な解決策を紹介し、信頼性を高めましょう。誇張表現や曖昧な表現は避け、必要に応じて広告である旨を明示することが大切です。
5. 収益化の仕組みを設定する
記事数がある程度そろったら、実際に収益化の仕組みを整えていきます。ブログの収益化は、取り組みやすい方法から段階的に進めるのが現実的です。
アフィリエイト広告を始めるにはA8.netなどのASPに登録し、テーマに合った商品を選んで記事に組み込みます。クリック報酬型広告は、Google AdSenseの審査に通れば比較的容易に導入できます。有料コンテンツの提供やPR記事の掲載、書籍化などは、段階的に取り入れていくと良いでしょう。
ブログ収益化を成功させるコツ

1. 収益を上げやすいテーマを選定する
自分の興味・知識・経験を活かせるジャンルの中から、特にニーズのあるものを選ぶことで、収益を上げやすくなります。読者ニーズを調べる際は、Googleトレンドを活用しましょう。Googleトレンドは、特定キーワードの検索数推移を無料で確認できるツールです。ブログに書くテーマの候補を決めたら、それに関するキーワードをリストアップして検索すれば、そのテーマが現在どの程度需要があるかを判断できます。
2. 質の高い記事を書く
記事の質を高めることで多くの読者に読まれるようになり、結果としてブログで収益を得やすくなります。具体的には、以下の点を心がけましょう。
読者に役立つテーマを選ぶ
読者の関心が高いテーマを選ぶことが基本です。テーマの関心度を確認するには、関連キーワードで検索を行い、上位に表示されるサイトをチェックすると効果的です。
独自性を持たせる
実際に使用した商品や体験したサービス、訪れた場所について書くことで、独自の体験や感想を盛り込むことができます。他の記事との差別化を意識しましょう。
正確性を担保する
参照元のリンクやデータ、意見に至るプロセスを明示することで、記事の信頼性が高まります。
わかりやすく書く
読者に最後まで興味を持って読んでもらうには、簡潔でわかりやすい表現を心がけ、正しい日本語で丁寧に執筆しましょう。
公平で誠実な内容にする
特定の企業や商品に配慮しすぎたり、読者を無理に特定の結論へ誘導したりするのは避けましょう。正直な意見や本音で書くことが、企業の広告とは異なる独自の価値を生み出します。
3. 広告の表記ルールを遵守する
アフィリエイトやPR記事を扱う際には広告であることを明示することで、ブログの信頼度が上がり、結果的に安定した収益を得られやすくなります。こうした記事では、実体験に基づき正確な情報を提供することを心がけ、誇張や間違った情報を含めないよう注意しましょう。
なお、広告であることを明示せずに製品やサービスを宣伝する行為はステマ(ステルスマーケティング)と呼ばれ、景品表示法により禁止されています。景品表示法で罰則対象となるのは広告主側ですが、ブログ作成者もASPの規約などに従って表記を行う義務があります。必要に応じて「PR」「広告」「アフィリエイト広告」などを目立つ位置に明記するようにしましょう。
4. SNSを活用する
X(エックス)やInstagram(インスタグラム)などのSNSでフォロワーを増やし、そこからブログへの流入を促すことで、収益化につなげることができます。
ブログ記事を公開したら、SNSでも記事タイトルや概要を簡潔に紹介して関心を引き、フォロワーをブログへ誘導しましょう。SNS経由でのアクセスは、検索流入とは異なる新しい読者層の獲得にもつながります。また、SNSを活用することで、読者から記事の感想を直接得やすくなり、ブログ内容の改善にも活用できます。
5. 過去のコンテンツを見直す
過去記事は定期的にアップデートすることで、再び価値のあるコンテンツとして活用できるようになり、結果的に収益化が成功しやすくなります。以前に作成した記事を見直して、新しい情報の追加やデータの更新、レイアウトの改善などを行いましょう。
6. アクセス状況を分析する
GoogleアナリティクスやGoogle Search Console(グーグルサーチコンソール)などの無料ツールを使って読者の行動や検索傾向を分析することで、課題点や人気のある記事の傾向が把握できるようになり、ブログで効率的に収益を上げることができるようになります。Googleアナリティクスでは、ユーザー属性や流入経路、ページ滞在時間などを確認できます。Google Search Consoleでは、キーワードごとの表示回数やクリック率などが把握できます。
まとめ
本記事では、ブログを収益化する複数の手段、収益化を意識したブログの始め方、ブログ収益化のコツをご紹介しました。ブログの特徴に合った収益化の施策を継続することで、将来的には安定した収入を得ることも期待できます。また、ブログ運営をきっかけとして、新たな交流や世界が広がり、新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。自分の知識や興味を活かしたブログ記事の執筆を楽しみながら、ブログ収益化への一歩を踏み出してみましょう。
ブログ収益化についてのよくある質問
ブログ収益化までの期間の目安は?
個人差はありますが、ブログ収益化までの期間の目安は約半年です。収益化にどんな手段を使うとしても、ブログの投稿を続けてアクセス数を増やすことが必要となるため、一定の期間は必要です。代表的なクリック型報酬広告であるGoogle AdSenseの場合、審査に通るために半年程度の運営期間が必要と言われています。一方、アフィリエイト広告の場合は、ある記事が突然ヒットし、短期間でまとまった収入を得ることはあり得ます。PR記事やブログ売却などは、ブログの客観的な評価が問われるため、やはりある程度の運営期間が必要です。
ブログの収益化は難しい?
ブログの収益化は可能ですが、すぐにまとまった金額を稼ぐのは難しいと言えます。複数の収益化方法を組み合わせたりするなどの工夫が必要です。過去に投稿した記事も読者がアクセスし続ける限り収益を生み続けるため、運営期間が長いブログほど収益が伸びる傾向にあります。
ブログを収益化するには何を書くべき?
一般のブロガーを対象としたブログ収入ランキングによると、転職・就職、家電、ダイエットといったジャンルのブログが上位にランクインしています。また、アフィリエイトにおいては、報酬単価と競合のバランスを考慮し、検索で上位表示を達成しやすいニッチな商材を勧める意見もあります。
ブログではもう稼げない?
適切な準備と運営を行えば、ブログで稼げないということはありません。これはアフィリエイトマーケティング市場の成長が追い風となっているためです。日本国内のアフィリエイトマーケティング市場は、2023年度には約4,113億円の規模に達しています。2026年度には約5,070億円に達する見込みです。依然としてチャレンジする価値の高い分野と言えるでしょう。
文:Norio Aoki