2015年のスーパーボウルは、アメリカだけでテレビ視聴者数が平均1億1,440万人に達しました。
今年の視聴者数は、ストリーミングでの視聴やXでのリアルタイムのポストが加わることで、さらに増加することが予想されます。
スーパーボウルだけではありません。グラミー賞やアカデミー賞など、注目度の高いイベントはすべて、ブランドが大きな話題に参加する絶好の機会を提供します。
たとえ興味がなくても、これらのイベントをフォローする理由は、トレンド入りしている話題に乗ろうとブランドが競い合うリアルタイムマーケティング(またの名をモーメントマーケティング)の絶好の機会を生み出すからです。
なぜこうしたイベントは、話題が沸騰する会話を生み出すのに効果的なのでしょうか?それは、そこから何か注目に値するものが生まれることを人々が期待しているからです。ある意味、これは予言の自己実現と言えるでしょう。
それがCMでも、ハーフタイムショーでも、観客席にいるセレブの振る舞いでも、試合でも、とにかく視聴者は話題にできる何かが起きることを楽しみにしています。
人々は何かを大げさに取り上げて皆で盛り上がることを無意識に求めていて、それがあまりにも当たり前の文化的現象になっているため、ブランド側も消費者が次に注目するものにすぐ反応できるよう備えるようになっています。
そして何より、あなたもそれに備えることができます。
その日のトレンドに乗る方法
インターネットユーザーの注意力は、以前よりもずっと短くなっています。あるいは、現代では人々に投げかけられる情報が非常に多くなっているとも言えます。
いずれにせよ、かつては「15分間の名声」と言われた短期間の注目が、今では5分のように感じられます。
そして、ソーシャルメディアの登場とライブストリーミングサービスの普及によって、一時的な関心の高まりはこれまで以上に鋭くなり、ブランド各社もその波に乗ろうとしています。
スピードこそが重要ですが、幸いなことに、あなたのポケットには秘密の(というほどでもない)武器があります。
そう、スマートフォンです。
迅速に反応するために必要なツールはすべて揃っています。X、Facebook、Hootsuite、Snapchat、Instagram、Meme Generatorなど。
しかし、重要なのは、単に素早くポストすることや、気の効いたFacebook投稿を考え出すことだけではありません。
スピードにおいて重要なことは、タイミングを最大限に活用して、即興のコンテンツや広告をどれだけ早く宣伝できるかということです。
重要なのは、誰が最初にポストしたかではなく、誰のポストが最初に「見られたか」です。
だからこそ、大きなオーディエンス数を持つことは、大きな競争上の優位性となります。特に、限られたスポットライトを巡ってたくさんのリソースを投入する大手ブランドと競う際には、それが顕著です。
幸いなことに、話題が沸騰している場に参加することで、エンゲージメントを獲得し、関連性を保ち、広範囲で人々の関心を惹きつけることができます。
その際に気をつけることを、いくつか挙げます。
迅速かつ機敏に:オレオの有名なツイート
リアルタイムマーケティングの迅速な例として、オレオの「Dunk in the Dark(暗闇でもダンク)」ツイートが挙げられます。このツイートは、2013年のスーパーボウルの停電中にTwitter上で話題を呼びました。
1万5千以上のリツイートを獲得したこのツイートは、アイデアから公開まで34分以下(停電の時間)で実現されました。このような高品質のツイートとしては、驚くべき迅速さです。
停電?ノープロブレム。/暗闇でもダンクできる pic.twitter.com/dnQ7pOgC
OREO Cookie (@Oreo) 2013年2月4日
オレオは、すぐにメッセージを発信できるように準備を整えた広告代理店を待機させていました。これは、こうした機会には可能性が秘められていることや、準備を整えておけば何ができるかを示す好例です。
スーパーボウルは、こうした瞬間を生み出すイベントとして他に類を見ないものですが、より重要なのは、それをどのように活かすかです。
ケイティ・ペリーの「左のサメ」よりも協調性を高く
ケイティ・ペリーがハーフタイムショーのパフォーマンスを終えた直後、Twitterではそれに関するツイートが1分間に28.4万件という驚異的な数に達しました。
それは、ケイティ・ペリー以上の注目をさらったサメがいたからです。ケイティ・ペリーの左側のサメは、一夜にしてインターネットのトレンドとなりました。
「左のサメ」のぎこちない動きは多くの人々の心をつかみましたが、ブランドがこのようなトレンドに無理に参加しようとするとうまくいきません。ある瞬間とブランドとを結びつけるには、理にかなったつながりが必要です。さもないと、気まずい状況に陥ることになります。
以下は、PETA(動物愛護団体)の興味深いツイートです。これは注目を集め、エンゲージメントを獲得しましたが、PETAの支持者でない一部の人々の反感を買う結果となりました。
#KatyPerrySuperBowl: 本物の動物がいなくても観客を驚かせることができるという証明だね。
賛成ならリツイート!
PETA (@peta) 2015年2月2日
こうした出来事は注目を集めるため、それを目にする多くはターゲットオーディエンス以外の人々になります。こうした活動に参入する際には、この点を念頭に置いてください。
最悪の場合、リアルタイムマーケティングでは、ブランドが実際には関係のない会話に無理に参加しようとした際に、非常に気まずい瞬間を生むことがあります。
そのため、行動する際には慎重さが重要であり、きちんとした存在感を確立する必要があります。さもないと、間違った方法で目立つ場違いな「左のサメ」になってしまいます。
Arby'sのようにユーモアに賭ける
ユーモアは、自社を大げさに売り込んだり頑張りすぎたりすることなく、話題の中に自社ブランドを挿入して好感を得るための優れた方法です。
ハンバーガーと音楽賞に共通点はありませんが、ハンバーガーチェーンのArby'sは、グラミー賞授賞式の際にトレンド入りし、その後も数か月にわたって話題になったファレル・ウィリアムスの帽子について言及しました。
Arby’sは「僕たちの帽子を返して」というジョークをツイートし、これが何万回もリツイートされました。オレオのような画像や華やかなデザインはない、純粋なウィットのみです。
そして、クエーカーもこの機会を見逃さずに参加しました。
ねえ、@Arbys、@Pharrellから帽子を返してもらった?こっちの帽子は、まだ@Madonnaから返事がないよ。 Larryより #Grammys
クエーカーオーツ (@Quaker) 2014年1月27日
ユーモアは、SNSで非常にシェアされやすいため、大手ブランドと競うことができます。ユーモアは、インターネットにおける笑いのタイミングを的確に捉え、ジョークを成功させることができれば、注目を集める良い手段になります。
クエーカーのように、機会があれば、他の注目を集めている人々と会話に参加し、積極的に関与してみてください。
アカウントのトップにはウェブサイトへのリンクがあり、プロフィールで自社のことを説明しているので、会話の中で自社を売り込む必要はまったくありません。
ライブツイート/ストリーミングで積極的に参加する
今は誰でもイベントを取材し、世界と共有できる時代です。
ブランドとしてライブツイートやストリーミングを行うことは、イベントの規模に関係なく効果的なアプローチです。イベントに積極的に参加することで、より多くの人に見られるチャンスが増えるからです。
自社の専門分野のイベントに参加できるのであれば、参加した方が良いでしょう。そうすれば、ブランドにとってより関連性が高い人々にリーチできるからです。
ライブツイートは簡単に実行でき、適切なハッシュタグを使用してリポストするたびにリーチをさらに広げることができ、既存のオーディエンスにフォローしてもらう機会が生まれます。
Xの投票を使用すれば、ハッシュタグをフォローしている他の人々からフィードバックを得ることもできます。よりインタラクティブな方法で人々を巻き込むことができます。
たとえば、あなたがゲーマー向けのアイテムを販売するストアを経営していて、人気ゲームのタイムアタックをチャリティ目的で観戦するためにゲーマーが集まるイベント、#GamesDoneQuick カンファレンスをライブツイートするとします。

複数のハッシュタグやプロフィールを1つのダッシュボードで監視し、リアルタイムでこれらの会話に参加するためには、Hootsuite(英語)のようなサービスを使用するとよいでしょう。一般的なツイートをする人々よりも大規模に関与できます。
リアルタイムの機会を探る
こうしたイベントは通常たくさんのポストが次々と投稿されますが、世界中の人々が見ているときに、適切なタイミングで適切な場所にいるチャンスを提供してくれます。
ハッシュタグやバイラルトレンドに乗ることもできますが、スーパーボウルのような人気のあるイベントや、顧客に直接アピールする専門的なイベントでは、こうしたチャンスが訪れたときに備えを最大限に活かせるような十分な前触れがあるものです。
リアルタイムマーケティングでは未来を予測できないからといって、準備ができないわけではありません。
リアルタイムマーケティングに関するよくある質問
リアルタイムマーケティングの例には、どのようなものがありますか?
リアルタイムマーケティングとは、ブランドが現在のイベント、トレンド、話題にリアルタイムで反応することです。リアルタイムマーケティングの例としては、ペプシがTwitterのトレンドハッシュタグに関連するメッセージで反応することが挙げられます。たとえば、スーパーボウルの際に、ペプシが「#HalfTimeShow featuring @Pepsi – 大試合の公式飲料」とツイートすることです。
SNSにおけるリアルタイムマーケティングとは何ですか?
SNSにおけるリアルタイムマーケティングは、現在のイベント、トレンド、話題にリアルタイムで反応するマーケティングコンテンツを作成することです。また、現在のイベントに関連したタイムリーで関連性のあるコンテンツを作成することも含まれます。リアルタイムマーケティングは、顧客との真のつながりを築き、関係を構築し、エンゲージメントを高めるために使用されます。
リアルタイムマーケティングは効果的ですか?
リアルタイムマーケティングは、適切に活用されると非常に効果的です。マーケティング担当者は現在のイベントやトレンドに迅速に反応し、ターゲットオーディエンスの心に響く、関連性のあるタイムリーなコンテンツを作成できます。これは、顧客を引き付け、売上を促進する強力な方法となる可能性があります。