Shopifyのメタフィールドを使えるようになると、Shopifyストアに独自の情報を追加して顧客の利便性を高めたり、業務効率を改善したりできます。
本記事では、Shopifyのメタフィールドの基本的な使い方や具体的な活用例をわかりやすく解説します。商品ページの情報充実やストア運営の効率化に役立ててください。
Shopifyのメタフィールドとは?

Shopifyのメタフィールドとは、Shopifyの商品ページやコレクションぺージ、ブログ記事などに独自の情報をノーコードで追加できる拡張機能です。メタフィールドを使うことで、ページ構成の自由度が高まり、Shopifyストアの機能や外観をカスタマイズできます。
基本項目である商品名や価格、商品説明とは別に、以下の様な情報を柔軟に追加できます。
- お手入れ方法
- 効果の持続時間
- 消費期限
- 型番
- 原材料
これらの情報は商品説明文にまとめて記載することもできますが、メタフィールドを使えば、項目ごとに分けて整理された形で表示できます。
メタフィールドを使うメリット

顧客体験を最適化できる
メタフィールドは、ただ情報を追加するための機能ではなく、ブランドの価値や個性を、ユーザーにわかりやすく伝えるための重要な手段です。
たとえばアパレルなら、素材やシルエットのこだわりなどのブランドが伝えたい情報を、メタフィールドを使ってストアへ表示できます。これにより他ブランドストアとの差別化が可能になります。
他にも以下の様な効果が期待できます。
情報管理の効率が上がる
メタフィールドは、顧客向けの情報表示だけでなく、社内業務の管理にも役立ちます。
たとえばオーダーメイドや特別対応が必要な商品の場合には、注文ごとに梱包指示や注意事項をメタフィールドに記録しておくことで、発送時の対応ミスを減らすことが可能です。
また、以下のようなメリットもあります。
- 項目ごとに情報を整理できるため、入力ミスや抜け漏れを防止できる
- 商品説明と分けて表示することで、ページデザインの自由度が高まる
- 管理画面から一括編集や更新を行うことで、運用負荷を軽減できる
Shopifyメタフィールドの使い方

メタフィールドはShopifyの管理画面から設定できます。設定方法の違いにより、以下の3つに分けられます。
- 標準定義を追加する:標準定義はShopifyがあらかじめ用意しているメタフィールドの定義で、全てのストアで共通して使えます。テーマやアプリとの互換性が高く、「製品評価」「原材料」「関連商品」など、よく使われる情報に対応しています。
- カスタム定義を追加する:カスタム定義は標準定義にない独自の情報を追加したい場合に作成するメタフィールドの定義です。
- カテゴリーメタフィールドを追加する:カテゴリーメタフィールドはShopifyの標準商品分類に基づいて設定される情報です。「サイズ」「カラー」など、商品分類に応じた情報を効率よく追加できます。
標準定義の追加方法
1. 標準定義を追加する
商品にお手入れ方法の項目を追加する方法を例に見てみましょう。

Shopifyの管理画面を開き、画面左下の「設定」をクリックします。

左のメニューから「メタフィールドおよびメタオブジェクト」をクリックします。

「カスタムデータ」画面に、メタフィールドを追加できるストア構成要素が表示されます。商品やページなど、メタフィールドを追加したい場所を選択します。

「定義を追加する」をクリックして、新しいメタフィールドを作成します。
既に追加したメタフィールドがあれば、画像のように一覧で表示されます。追加したメタフィールドがなければ、一覧は表示されません。

「名前」に追加したい定義名を入力してメタフィールド標準定義を検索します。

「提案された標準定義」として表示されたものの中から追加したい定義をクリックして選択し、「保存」をクリックします。
2. メタフィールドへ値を入力する

Shopifyの管理画面に戻り、「商品管理」をクリックします。商品一覧から、追加したメタフィールドを設定したい商品を選択します。

「商品メタフィールド」で該当する項目の入力欄をクリックすると、デフォルトのエントリー(選択項目)が表示されます。当てはまるものをクリックして選択します。
当てはまるものがなければ、「新しいエントリーを追加」をクリックして、希望の項目を作成します。
選択を終えたら画面上部か右下にある「保存」をクリックします。
3. ストアでメタフィールドを表示する

再びShopifyの管理画面に戻り、「オンラインストア」>「テーマ」>「カスタマイズ」をクリックします。

テーマカスタイマイズ画面上部のドロップダウンメニューで「商品」をクリックし、「デフォルトの商品」を選択します。

「商品情報」セクションで「ブロックを追加」をクリックし、「折りたたみ可能なタブ」を選択します。

「折りたたみ可能なタブ」編集画面で、右上の「動的ソースを接続」アイコンをクリックし、表示させたい標準メタフィールド定義を選択します。
画面右上の「保存する」をクリックすると、追加した標準定義の項目が商品ページに表示されます。

メタフィールドを設定した商品ページを開き、選択した手入れ方法が表示されていることを確認します。
カスタム定義の追加方法
1. カスタム定義を設定する
Shopifyの管理画面から「設定」>「メタフィールドおよびメタオブジェクト」>「カスタムデータ」と進み、メタフィールドを追加したい場所を選択して「定義を追加する」をクリックします。
定義設定の画面で以下の項目を入力します。
- 名前:カスタム定義の名前です。
- ネームスペースとキー:システムがカスタム定義を識別するために必要です。
- 説明:定義についての説明文です。入力は任意です。
- タイプ:日付、整数、色などの定義に適したタイプを選択できます。
入力を終えたら、画面右下の「保存」をクリックします。

タイプ:1行テキストとした例
2. メタフィールドへ値を入力する

Shopifyの管理画面に戻り、メタフィールドを設定したいページを選択します。
ページの「メタフィールド」で該当する項目の入力欄へ任意のテキストを入力します。
標準定義と異なり、「デフォルトのエントリー」は表示されません。
3. ストアでメタフィールドを表示する
再びShopifyの管理画面に戻り、「オンラインストア」>「テーマ」>「カスタマイズ」をクリックします。

テーマカスタイマイズ画面の「デフォルトの商品」ページで、「商品情報」セクションへ「ブロックを追加」し、「折りたたみ可能なタブ」を選択します。

「折りたたみ可能なタブ」編集画面で、「タブのコンテンツ」の右にある「動的ソースを接続」アイコンをクリックし、「ページからのタブのコンテンツ」をクリックします。

「テンプレート > 商品」をクリックし、設定したカスタム定義を選択します。
画面右上の「保存する」をクリックして、追加したカスタム定義の項目を商品ページに表示させます。

メタフィールドを追加した商品ページを開き、カスタム定義が表示されているか確認します。
カテゴリーメタフィールドの追加方法
1. 商品カテゴリーを設定する
Shopifyの管理画面を開き、「商品管理」をクリックします。商品一覧から、カテゴリーメタフィールドを設定したい商品を選択します。

商品ページ編集画面の「カテゴリー」セクションで、検索するかドロップダウンメニューを利用して当てはまる商品カテゴリーを見つけます。
ここでは例として「家具」カテゴリーから「フトンソファ」サブカテゴリーを選択します。
2. カテゴリーメタフィールドを入力する

選択したカテゴリーに基づいて、最適なカテゴリーメタフィールドをShopify Magic(ショッピファイマジック)が予測し、自動追加や提案を行います。
ここでは提案された「適したスペース」をクリックし、追加します。

ドロップダウンメニューから、カテゴリーメタフィールドに適したエントリーを選択します。当てはまるものがなければ、「新しいエントリーを追加」をタップして最適なエントリーを作成します。
画面右上の「保存」をタップし、追加したカテゴリーメタフィールドを保存します。
3. ストアでメタフィールドを表示する
Shopifyの管理画面に戻り、「オンラインストア」>「テーマ」>「カスタマイズ」をクリックします。

テーマカスタイマイズ画面の「デフォルトの商品」ページで、「商品情報」セクションへ「ブロックを追加」し、「折りたたみ可能なタブ」を選択します。

「折りたたみ可能なタブ」編集画面で、右にある「動的ソースを接続」アイコンをクリックし、表示させたいカテゴリーメタフィールドをクリックします。

画面右上の「保存する」をクリックして、追加したカテゴリーメタフィールドの項目を商品ページに表示させます。
メタフィールドを追加した商品ページを開き、カスタム定義が表示されているか確認します。
メタフィールドの活用例
商品の絞り込み項目
メタフィールドは商品管理ページで商品の絞り込み項目として利用できます。独自の項目を作成して絞り込みを行うことで、更新などの必要がある特定の商品を簡単に見つけることができます。
絞り込み項目として利用するには、メタフィールド定義画面で「商品の絞り込み」オプションをオンにする必要があります。


スマートコレクション
メタフィールドをスマートコレクションの条件として設定できます。一致する商品が自動的にコレクションに含まれるため、業務を効率化したりコレクション内容を充実させたりすることができます。
スマートコレクションの条件として利用するには、メタフィールド定義画面で「スマートコレクション」オプションをオンにする必要があります。


商品のバリエーション
メタフィールドはバリエーションとして使用することもできます。バリエーションをメタフィールドに接続しておくことで、1か所を編集するだけで全ての該当バリエーションに更新が反映されます。
バリエーションとして利用するには、カスタムオプションを追加し、メタフィールドを連携しておく必要があります。


[バリエーション]>[+ サイズや色などのオプションを追加]をクリックして表示される画面
対応しているカテゴリーメタフィールドまたは商品のメタフィールドに接続できる場合は、それを選択します。オプション値には、メタフィールドに追加したエントリーが自動的に入力されます。さらにオプション値を追加したり、新しいオプション値を作成したりもできます。
Shopifyのメタフィールドの注意点
標準定義が使える場合は優先する
カスタム定義は自由に作れる点がメリットですが、アプリやテーマが対応していないことがあります。そのため、標準定義が使える場合は、そちらを使う方が互換性や保守性の面で安全です。
テーマがメタフィールド表示に対応しているか確認する
使用中のテーマによっては、メタフィールドを表示するためにLiquidコードの編集が必要な場合があります。テーマエディタで「動的ソース」が使えない場合は、開発者のサポートが必要になることもあります。
定義の乱立を避ける
似た内容のメタフィールドを重複して作成すると、管理や運用が煩雑になり、後々の一括編集やデータ出力で混乱の原因になります。
たとえば「素材」「素材名」「原材料」といった項目を別々に定義してしまうと、担当者間で入力ルールが分かれたり、データの整合性が取れなくなったりすることがあります。
そのため、用途を整理したうえで、項目名やデータ構造を統一して設計することが重要です。初期段階でルールを決めておくことで、長期的な運用がスムーズになります。
削除や変更時は影響範囲を確認する
一度設定したメタフィールドを削除・変更すると、表示エラーが起きたり、データが失われたりすることがあります。
特に、既にページに適用されている定義を編集する際は、ストア全体への影響を十分に確認したうえで、対応することが重要です。
CSVによる一括編集は慎重に行う
商品数が多い場合はCSVを利用したメタフィールドの一括編集が便利ですが、列のズレや入力ミスにより、意図しない上書きやデータ消失が起こるリスクもあります。
操作前には必ずバックアップを取っておくことが重要です。
まとめ
メタフィールドは、Shopifyストアにおいて商品情報やコンテンツを柔軟に拡張できる強力な機能です。標準項目だけでは伝えきれない情報を補うことで、顧客体験の向上や業務の効率化につながります。
ノーコードで導入できるため、Liquidなどの専門知識がなくても活用可能です。ただし、効果的に運用するには、定義の設計や表示設定に関する基本的な理解が必要です。
この記事を参考に、メタフィールドを適切に活用し、ストアをより使いやすく、長期的に成長しやすいものへと改善していきましょう。
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よくある質問
Shopifyのメタフィールドとは?
商品やコレクションなどに追加情報を設定できる拡張フィールドです。必要な情報を顧客が見やすいよう整理することが可能になるほか、業務管理にも活用できます。
Shopifyのメタフィールドが表示されないのはなぜ?
メタフィールドは追加するだけでは表示されません。テーマのカスタマイズ画面で、「動的ソース」から該当メタフィールドをページに表示させる設定が必要です。
Shopifyのメタフィールド追加にLiquidは必須?
基本的なメタフィールドの追加にLiquidは不要で、ノーコードで設定可能です。Shopify管理画面とテーマエディタを使えば、専門知識がなくても導入できます。
メタフィールドはCSVに出力できる?
商品メタフィールドとお客様メタフィールドはCSVファイルでのインポートとエクスポートに対応しています。ただし、全てのデータタイプに対応しているわけではありません。
Shopifyのカテゴリーメタフィールドとは?
Shopifyのカテゴリーメタフィールドとは、Shopifyの標準商品分類に基づいてサイズ、素材、カラーなどを設定できる機能です。商品詳細ページで追加や編集を行えます。
メタフィールドは商品のバリエーションにできる?
Shopifyでは、バリエーションのカスタムオプションをメタフィールドと連携させることで、商品のバリエーションとして利用できます。
Shopifyのメタフィールドは画像やリッチテキストに対応している?
メタフィールドの「ファイル」タイプが画像に、「リッチテキスト」タイプがリッチテキストに対応しています。
Shopifyのメタフィールドとメタオブジェクトの違いは?
メタフィールドは、商品やコレクションなど個別のオブジェクトに追加情報を付け加えるための機能です。一方、メタオブジェクトは、複数の情報をひとつのまとまりとして管理するための機能です。
文:Hisato Zukeran