在宅で稼ぐ方法の一つに、オンライン講座の販売があります。ここでは、受講生を満足させて収益を生み出せるオンライン講座の作り方を詳しく解説します。オンライン講座を作るメリットや作成時の注意点も紹介しますので、参考にしてください。
オンライン講座の作り方10ステップ
1. 講座のテーマを選択する
質の高いオンライン講座を作るためには、自分自身が専門知識や経験、大きな関心を持っている分野を選ぶことが大切です。実際の経験に基づく分野であれば、正しいやり方やつまずきやすいポイントなど、受講者が知りたい内容を網羅した講座を作れるでしょう。
オンライン講座のテーマは、必ずしも人気である必要はありません。受講者が少なくても、ニッチな分野のトップ講師としての地位を確立できる可能性もあります。ただし、一貫して受講者の興味関心に応えられるものが望ましいです。受講者に独自の価値を提供できる内容であれば、類似の講座との差別化を図れます。
2. ターゲットを決める
オンライン講座のテーマが決まったら、受講者がどのようなスキルや知識、経験を学びたがっているかを考えます。そのために、具体的なターゲット像であるペルソナを設定します。ペルソナを設定する際、考える必要のある項目は次のとおりです。
- 年齢、性別
- 職業、収入
- 家族構成
- 課題や悩み
- 講座の受講目的
- 講座内容の習熟度
具体的な人物像を設定することで、ターゲットのニーズに寄り添った講座を作りやすくなります。また、以下のツールを活用することで、受講者の興味関心や疑問点、悩みなどをより正確に把握できます。
- Google(グーグル)トレンド
- キーワードツール
- 電子掲示板
- SNS
ターゲットに対する理解をより深めたい場合は、直接話を聞くのも効果的です。講座の受講を検討している人や設定したペルソナに合致する人へアンケートを実施し、ニーズや期待を詳しく尋ねます。最低でも10人程度と話し、講座の形式や価格設定に関する意見を集めると、有益な情報が得られます。
アンケートでは、以下のような項目について質問するとよいでしょう。
- 講座を通じて解決したい問題
- 講座を受講しようと考える理由
- 受講後に期待する成果
調査の協力者には、特典として完成後の講座を無料で提供すると、参加してもらえる可能性が高まります。
3. 講座の形式を決定する
オンライン講座には、ライブ配信とオンデマンド配信の2種類があります。
ライブ配信は、リアルタイムで講義を実施する形式です。その場で疑問点を質問したり、ディスカッションしたりできるため、対面の講座に近い形でコンテンツを提供できます。英会話教室やヨガ教室など、コミュニケーションが必要な講座におすすめです。しかし、あらかじめ決められた時間に講義をするため、予定が合わず参加を断念する受講生もいるでしょう。
一方、オンデマンド配信は事前に撮影したレッスン動画を受講者が視聴する形式です。伝えるべき情報がすでに決まっている、ビジネス系のオンライン講座などに向いています。受講者は自分にとって都合のよい時間に視聴できるため、子育てや仕事に忙しい人でも参加しやすいのが利点です。わからない部分は何度も繰り返して視聴できるなど、それぞれのペースで学習を進められる特徴もあります。しかし、リアルタイムで質問ができないため、疑問をすぐには解消できません。個人での学習が主体となるため、受講者がモチベーションを維持しづらい点も課題として挙げられます。
講座の形式を選ぶ際は、ターゲットとなる受講者に最適な方法がどちらなのかを考えましょう。
4. 講座の市場需要を検証する
オンライン講座を作成する前に、収益をあげるために十分な需要があるかどうかを検証する必要があります。検証する際、最小限のオンライン講座を公開して、受講者の関心を測る手法が効果的です。
たとえば、ブログやInstagram(インスタグラム)で発信している内容をメルマガにして、ミニ講座を作る方法などが考えられます。ミニ講座を受講する人が多ければニーズはあると考えられるため、オンライン講座を開講しても一定の受講者数を得られる目途が立ちます。
また、無料のウェビナーを開催する方法も、ターゲットのニーズを把握するのに有効です。ウェビナーを実施することで、どの程度の受講希望者がいるのかを確認できます。ウェビナーを実施する場合は、参加者からのフィードバックを集め、どの部分が最も役に立ったのか、どのような内容を求めているのかを把握しましょう。
5. 講座の先行販売を行う
実際に講座を作成する前に販売を開始することで、需要のない講座を作るリスクを避けることができます。先行販売では講座内容にニーズがあるかどうかを前もって検証できるため、購入者の意見を反映させながら、より魅力的な内容へと改善できる利点があります。また、販売によって得た資金を講座の作成費に充てられるため、費用面の負担を軽減できる点もメリットです。すでに受講者がいる状態で制作を進めることで、完成までのモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
先行販売を成功させるには、専用のランディングページを作成し、購入者に特典を提供する手法が効果的です。たとえば、販売ページに講座のタイトルやテーマ、学習内容の概要を掲載し、どのような知識やスキルが身につくのかを具体的に示します。早期購入者には割引を適用すれば、購入を後押しできるでしょう。
目標とする先行販売数を設定しておくことも重要です。たとえば、最低でも25名の購入がなければ講座の作成を見送るなどの判断基準を設けることで、リスクを管理しやすくなります。設定した期間内に目標を達成できなかった場合は、購入者に返金して講座内容を再検討するとよいでしょう。
6. カリキュラムを作る
オンライン講座の内容を作り込んでいく際には、論理的に学習できるよう慎重に構成を考える必要があります。受講者の視点で、最終的に達成すべき目標から逆算しながら、講座を組み立てることが求められます。
講座の内容は、大きな学習単位である「セクション」と、その中に含まれる具体的な「レッスン」に分けて構成します。講座の種類や学習期間、受講費用などに応じて、セクションやレッスンの数を調整するとよいでしょう。
たとえば、複数日にわたってコンテンツマーケティングに関する講座を作成する場合、以下のようにセクションを設定できます。
- セクション1:コンテンツ戦略の設定
- セクション2:思わず反応したくなるコンテンツの作り方
- セクション3:検索エンジン最適化(SEO)の基礎
- セクション4:コンテンツカレンダーを活用した管理方法
- セクション5:コンテンツの発信方法
各セクションでは、該当するテーマの学習内容をわかりやすいレッスンへ細分化して解説します。上記の「セクション1」を例に挙げると、以下のようにレッスンを設定できます。
- レッスン1:目標や目的を明確にする
- レッスン2:ターゲットとなる顧客や読者のペルソナを設定する
- レッスン3:ペルソナが商品を購入するまでの工程を説明する
- レッスン4:競合分析をする
- レッスン5:コンテンツの形式を決める
カリキュラムの大まかな構成が決まったら、各レッスンの詳細を作成していきます。レッスンごとに、受講者が何を習得するべきかの学習目標を明確に示しましょう。その目標に向かってスムーズな流れで学習できるように、実践的な演習や具体的な手順を含めることが大切です。
オンライン講座の媒体についても考える必要があります。たとえば、低価格で講座を提供する場合には、テキストや画像を主体にするとよいでしょう。より高額で専門的なコースであれば、テキストのみや動画のみではなく、複数の形式を組み合わせて受講者の学習効率と集中力を高める構成にしていきます。
7. 講座の価格と販売目標を設定する
オンライン講座の適正な価格は、形式や内容によって異なります。一般的に短時間で学べる入門講座は無料または低価格で提供されることが多く、専門知識を深く学べる講座は高額になる傾向があります。
販売価格を決める際は、以下の要素を考慮するとよいでしょう。
市場の特性と講座のテーマ:
講座に関連する業界や分野によって、受講者の価格に対する感度が異なります。たとえば、投資に関する講座は比較的高価格でも受講者が多いですが、趣味に関する講座は安価でなければ購入されづらい場合があります。
宣伝費用:
講座を広く認知してもらうためには、広告やマーケティングに予算を割く必要があります。
講師の信頼性:
実績が豊富な講師の講座は、高価格でも購入されやすい傾向にあります。
適正な価格を決めるためには、同じ分野で提供されているほかの講座を調査することが欠かせません。価格設定が高すぎると、購入者が減る可能性があります。一方で、相場から大きく離れるほど過度に低い金額に設定すると、オンライン講座の質に疑念が持たれてしまい、利益を得づらくなるため注意が必要です。
また、販売目標を設定することで、より戦略的に価格を決定できます。たとえば、売上目標を50万円とした場合、1講座の価格を2,000円にすると250人の購入者が必要ですが、25,000円にすれば20人の購入者で達成可能です。
低価格で広く販売する方法と、高価格で少数に販売する方法のどちらが適しているかを考え、オンライン講座の価格と販売目標を設定しましょう。
8. 講座を配信するプラットフォームを決める
オンライン講座の配信プラットフォームとして、よく使われているものは次のとおりです。
- ウェブ会議ツール
- 専用のプラットフォーム
- 独自のウェブサイト
ウェブ会議ツールはライブ配信形式で活用しやすいプラットフォームですが、録画形式の講座でも使用できます。ウェブ会議ツールの代表例は、Zoom(ズーム)です。

受講者にURLを発行するだけで使えるほか、通信環境が安定しており、受講者とチャットでコミュニケーションを図れるため、多くの講座で活用されています。ライブ配信した映像の録画もできるので、受講者が後日視聴できるようにしたり、オンデマンドコンテンツとして販売したりすることも可能です。
オンライン講座の配信に特化した専用プラットフォームとしては、Udemy(ユーデミー)、ストアカ、ココナラなどが代表的です。いずれも動画配信に合わせた設計のため、配信に慣れていない人でも使いやすいのが特徴です。プラットフォームによって、決済時の手数料や集客機能の有無などが異なるため、利用する前に必要な機能が揃っているかを確認する必要があります。
オリジナリティのあるオンライン講座を作りたい場合、Shopify(ショッピファイ)やWordPress(ワードプレス)などを使って構築した独自のウェブサイトを使用する方法があります。

ECサイト構築プラットフォームであるShopifyは、デジタルコンテンツの販売にも対応しています。オンデマンド配信形式での講座販売だけでなく、サブスクリプション形式の料金体系にも対応可能です。また、Udemyなどの専用プラットフォームより手数料がかかりません。

WordPressでは、ウェブサイト上に動画をアップすれば、オンデマンド配信形式で講座を開講できます。またWordPressでは、動画だけでなくテキストでも情報を伝えられる点も特徴です。
9. 販売のために宣伝する
オンライン講座をより多くの人に知ってもらい、購入につなげるためには宣伝が不可欠です。講座を販売する際に活用できる主なマーケティング手法を紹介します。
定期的にウェビナーを開催する:
ウェビナーは比較的低コストで実施でき、受講者の関心を引きつけるのに適した方法です。30〜60分のセミナーを視聴した人は、講座を購入する可能性が高まります。
メールマーケティングを行う:
ウェビナーの申し込み時にメールアドレスを入力してもらい、講座の最新情報や割引キャンペーンを案内することで購入を促せます。最初は申し込みに至らなくても、定期的な情報提供を行うことで購買意欲を高められます。
ポッドキャストに出演する:
専門知識を持つ講師として、講座に関連する業界のポッドキャストに出演するのも効果的です。自身の経験や講座の魅力を伝えられれば、信頼性の向上につながります。
SNSマーケティングを行う:
ターゲットに対して効果的にアプローチできる媒体を見つけ、役立つ情報を発信しながら関係を築きましょう。
広告を活用する:
Google広告やFacebook(フェイスブック)広告などの有料広告を出稿することで、興味を持つ人に効率的にリーチできます。ただし、広告費が講座の販売価格を上回らないよう注意が必要です。
SEO対策を講じる:
講座の販売ページが検索エンジンの上位に表示されやすくなるよう、適切な対策を講じます。
教育コンテンツを発信する:
オンライン講座に関連する分野の無料コンテンツを発信すると、講師としての知名度を高めることにつながります。こうしたコンテンツマーケティングで獲得したユーザーは、有料講座を購入してくれる可能性も高い層と言えます。
10. フィードバックを集め、講座を改善する
講座を開講した後は、受講者から感想や口コミといったフィードバックを集めます。受講後に成果を実感した人の感想があると、新規の受講者に講座の価値を伝えやすくなります。集まったフィードバックを販売ページや宣伝活動に活用することで、受講を検討している人に安心感を与えられます。活用の際は、受講を通じてどのような変化があったのか具体的に伝えることが効果的です。
受講者から感想を集める際は、以下のように具体的な質問をするとよいでしょう。
- 講座を受講した結果、収入はどのくらい増えましたか?
- 講座を受講する前と後で、どのように変わりましたか?
- 講座を通じて得た知識をどのように活用していますか?
フィードバックを集める目的は、講座の評価を高めることだけではありません。肯定的な意見は強みとして活かし、批判的な意見は講座の改善につなげることが大切です。受講者の声を真摯に受け止め、内容を継続的に見直すことで、より満足度の高い講座を提供できるようになります。
オンライン講座を作る4つのメリット
1. ビジネスとしての拡張性が高い
オンライン講座の制作には多くの時間と労力がかかりますが、デジタルコンテンツとして一度作成してしまえば、販売できる数に限りはありません。一つのコンテンツを再利用して、複数のプラットフォームや世界中の受講者に届けることもできます。さらに、受講者が数クリックで手軽に講座へアクセスできるように、販売プロセスを自動化することも可能です。
2. 低コストで始められる
オンライン講座は、低コストで始められる点が魅力です。講座の形式によって必要なものが異なりますが、基本的には講座を配信するためのソフトウェアや、受講者に案内を送るための通信サービスを契約する程度で運営が可能です。
3. 高い利益率がある
オンライン講座は、一般的な商品販売と比べて高い利益率を確保しやすい特徴があります。制作や宣伝にかかる費用を差し引いた後の売り上げが、ほぼそのまま利益として残るためです。物理的な商品を扱う事業では、材料費や物流費などの経費がかさみ、利益率が低くなりがちです。しかし、デジタル商品であるオンライン講座は、販売数が増えても諸経費がほとんど発生しないため、利益率を85%以上に維持することも可能です。
4. 不労所得を得られる
オンライン講座は、不労所得に近い収益を生み出せる点もメリットの一つです。完全に手間がかからないわけではありませんが、初期段階で時間と費用をかけて講座を作成すれば、その後は継続的に収益を得られます。特に、ダウンロード形式の講座やリアルタイムの授業や受講者同士の交流を必要としない講座であれば、一度作成したコンテンツを繰り返し販売できるため、手間をかけずに安定した収益を確保できます。
オンライン講座を作る際にありがちな失敗

以下のような失敗を避けることで、講座の質や成功率を高められます。
学習目標が不明確:
受講者に何を学んでほしいのかを明確にしましょう。具体的な目標を設定すると、講座全体の構成が整理しやすくなります。
内容の詰め込みすぎ:
一度に多くの情報を詰め込むと、受講者が混乱しやすくなります。ポイントを絞り、短いレッスンに分けて伝えましょう。
学習方法の工夫不足:
クイズやディスカッションなどの受講者も参加できる要素がないと、学習意欲が下がります。受講者が楽しみながら学べる仕組みを取り入れることが大切です。
低品質な音声や映像:
不鮮明な映像や聞き取りづらい音声は、受講者の集中力を削ぎます。最低限度の撮影・録音機材を購入し、視聴しやすいコンテンツを作成しましょう。
受講者の意見を軽視:
受講者から定期的にフィードバックを収集して改善を重ねることで、より満足度の高い講座になります。
宣伝不足:
どれだけ優れた講座でも、宣伝しなければ受講者を集めるのは困難です。マーケティング戦略を立て、必要な人に情報を届けましょう。
制作時間を過小評価:
講座の作成には時間がかかります。無理のないスケジュールを組み、質の高いコンテンツを作ることを優先しましょう。
まとめ
オンライン講座を作る際、自分の知識や経験を活かせるテーマを選び、詳細にペルソナを設定します。ペルソナ設定を踏まえて、適切な講座形式を選んだり、講座内容を考えたりすることで、質の高いオンライン講座を提供できるでしょう。
オンライン講座の販売を考えているのであれば、Shopifyをご検討ください。講座販売に特化した専用プラットフォームより安価な手数料で販売することが可能です。無料体験も実施していますので、お気軽にご活用ください。
よくある質問
オンライン講座を作る際に使える決済方法は?
- クレジットカード
- モバイル決済
- 銀行振込
オンライン講座で使用できる主な決済方法は、使用するプラットフォームやツールによって異なるため、事前に確認する必要があります。
オンライン講座の作成代行サービスはある?
オンライン講座の作成代行サービスはあります。具体的には、ココナラやランサーズなどのクラウドソーシングサイトが挙げられます。
オンラインスクールの作り方は?
以下のプラットフォームやツールを使うことで、無料のオンラインスクールを作れます。
- コテエコカレッジ
- Udemy
- ココナラ
使用時に月額費用が求められるものもあるため、無料の講座と合わせて有料の講座を制作するとよいでしょう。
文:Yukihiro Kawata